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乗合自動車(バス)総合スレ

1401とはずがたり:2016/10/19(水) 10:50:38
>>1400-1401
しかし本当の差別化は、「社内文化の構築」である。メトロマニラで常習化している、チップの強要や乗車拒否など、お客様ならうれしいと感じない一切の悪質行為を止めるために150ルールを社内で作りドライバー教育をしている。ルールには、ボロボロの服は良くない、サンダル・ジーンズは良くない、ひげを剃る、あいさつをする、メーターを改ざんしない、お釣りをごまかさない、などが細かく記載されている。

ルール通りに実行したドライバーが、 車内で見つけたお客様の財布を警察に届けた。そのことが大きな地元メディアに取り上げられた。そのドライバーはインタビューに対して「RYO AKIのドライバーであれば皆が同じことをする、何の疑いもなく届ける」と答えている。

基本方針が、ドライバー自身の成功体験に直結しており、皆がプライドを持ってサービス提供に取り組む社内文化が構築された。それがサービスの品質向上につながっている。

日本では当たり前の労働環境や福利厚生制度も、いち早くフィリピンで導入。ドライバーの社会的地位を向上させ、社会の一員としての自覚を芽生えさせ、プライドを持って業務に当たれる環境作りを行った。これが社内文化の更なる向上と伝承へとつながっている。

会社員時代は半導体会社の立ち上げなど23か国で仕事をしたことがあるという濱田氏は「海外ではその国の文化、考え方があるが、それを理解せずに日本のやり方を押し付けている様では動いてくれない」と、力説する。

使ってやっている、やれ、という考えでは駄目。従業員たちに自分たちの幸せがあることをしっかりと伝えることが重要。我々は外国人であり仕事をさせてもらっている、という気持ちを忘れてはいけないと指摘する。

◆RYO AKI TAXIの課題と展望

フィリピンでタクシービジネスを行う魅力は、「大きな消費市場があり、日本ブランドを活かすことができる」と濱田氏はいう。従順な性格で、ホスピタリティがあり英語が使えるというフィリピン人の潜在能力は高い。

一方で課題は、サービスの概念が低く、サービスの品質をしっかりと維持継続していくことだ。更なる社内文化の構築と伝承のために、濱田氏は今後、従業員とともに暮らせる移住食などが整ったRYO AKI CITYの実現も目指している。ビジネスをただの小売業やサービス業だけにとどめることなく、住宅の確保、生活の確保、教育の確保、職の確保とつなげることで人・モノ・お金の循環が行える商業都市だという。

今後のタクシービジネスにおける展望は、「投資家のお金を入れて更に車を増やし、メトロマニラにある1万7000万台のタクシーをすべてRYO AKI TAXIにしたい。タクシー業界の品質を向上していきたい」と濱田氏は考えている。これからは、あいさつ、きれい、言葉遣い、安心、安全などのサービスの時代である。タクシー料金が一律であれば、人間だれでも気持ち良いタクシーに乗りたいと考えるだろう。

フィリピンのサービスビジネスの市場はまだまだブルーオーシャンだ。日本のサービスレベルを持ち込むことでビジネスができる。サービスを定着させるには時間と工夫が必要だが、多くの可能性がある市場であることは間違いない。

<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し、Asean Plus Consulting LLCにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。専門分野はアジア自動車市場、アジア中古車流通、アジアのアフターマーケット市場、アジアの金融市場で、アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。 《レスポンス 川崎 大輔》


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