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Airline & Airport(航空会社・航空路線・空港)スレ

7384OS5:2023/04/10(月) 10:21:17
 1989(平成元)年に運輸省が公表した存続の是非に関する中間報告は、住民の声を反映している。

 国が支出する防音工事や移転補償の費用は、ピークだった1982(昭和57)年に約600億円だったが、対策も打たれたため、1989年以降は安くなり年間30億円程度で済むとした。また廃港とした場合、跡地利用として検討されていたニュータウン建設は整備費だけで約6400〜7000億円もかかり、交通量が増えて環境が悪化するともしている。

 このように、大阪国際空港は全国の空港に騒音対策の重要性を知らしめるとともに、空港の経済的価値を示した。

広島空港がへき地にある理由
広島空港の位置(画像:(C)Google)

 現在では大規模開発を実施する際、環境影響評価法により環境アセスメントの実施が義務づけられている。

 この法律が制定されたのは1997(平成9)年だが、その前から地方自治体によっては、環境アセスメントを実施していたところもある。空港で最初期の事例が広島県の広島空港(1993年開業)である。

 広島空港は、広島市中心部から約50km離れた三原市の山間部に立地している。国際線が発着する空港にもかかわらず、アクセスは広島市内まで50分かかるバスだけだ。空港アクセス鉄道は実現していない。地元の広島人も

「なぜ、こんなところにつくったのか」

とぼやいている。

 なぜそんなへき地に空港が建設されたのか。その理由のひとつに環境アセスメントで、

「騒音の影響が少ない」

と判断されたことがあげられる。

現在の位置に選ばれた背景
旧広島空港の位置(画像:(C)Google)

 広島西区にあった旧広島空港(1961〜1993年。現・広島ヘリポート)に替わる新空港の候補地は、最終的に

・洞山(東広島市)
・用倉(三原市)
・江田島(江田島市)
・大奈佐美(江田島市)

の4か所で、洞山と用倉は内陸部に、江田島と大奈佐美は瀬戸内海の島に空港を建設する計画だった。

 このとき、環境への影響がもっとも少ないとされたのが洞山と用倉だった。両地ともに市街地からも離れていて騒音の影響が少ないと見られていた。

 対して江田島と大奈佐美は、島とはいえ市街地に近かった。また大規模な地平の改変も必要だった(大奈佐美に至っては国立公園内であった)。

 結果、騒音の与える影響も少ない洞山と用倉が残り、両者を比べた際に、予定地の標高が低く就航率の望める用倉に広島空港が建設されることになった(洞山のほうが標高が120mほど高かった)。

沖合3kmにある北九州空港
北九州空港(画像:(C)Google)

 広島空港は騒音を避けて内陸部に建設された事例だが、海を選んだのが北九州空港(2006年開業)だ。22時以降は使用できない福岡空港に対して、同空港は24時間運用可能なことを強みとしている。

 北九州空港は沖合3kmという立地のため、うるささ指数70以上の範囲はすべて海上にある。そのため、

「空港外の住宅や通常の生活に影響はないものとされている。したがって、北九州市では北九州空港の対岸地域において航空機騒音の観測は行っていない(『北九州空港環境計画』)」

としている。

 しかし、それでも騒音は皆無というわけではないようだ。北九州市が毎年刊行している『北九州の環境』の最新版(令和4年度版)に記述はないが、過去の版には

「北九州空港における定期便などの飛行に伴う騒音が小倉南区にそれぞれ影響を及ぼしている」

という一文がある。やはり空港がある以上、騒音ゼロにはならないようだ。

 経済や交通の利便性のために空港の存在は欠かせない。その上で、騒音対策には十分な対応が求められる。

業平橋渉(フリーライター)


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