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Airline & Airport(航空会社・航空路線・空港)スレ

6943チバQ:2020/03/28(土) 23:41:26
日本のエアーは祖国そのもの

『沈まぬ太陽』(山崎豊子作)という名作がある。

ここで、アジアの国で突然隣国と戦争が起こり、取り残されてしまった日本人駐在員たちの話が出てくる。

欧州の国々は、さっさと特別便を出して自国民を救助したのに、日本からはちっとも来ない。空港で何日も疲労困憊で待つ日本人たち。

やっと臨時便が到着した。機体にはNAL(と小説ではなっていた)の鶴のマーク。それを見た瞬間、日本人から、歓声と拍手が起きた。涙の叫びが起きた。日本の飛行機は、祖国そのものであった・・・という描写がある。

私は海外に住んでいるので、この気持が痛いほどわかる。この部分は、実際に体験した人に作者が取材して書いたのだと、100%確信させる文章だった。

フランスの地方に住んでいたとき、国内線でパリに到着したことがある。パリのシャルル・ドゴール空港で、日本の飛行機を見たその瞬間、どばっと目から涙があふれたことがある。「え、私泣いてる? なんでだろう?」と思った。感情より先に、体が反応していたのだ。

これは外国生活をしたことがある人にしか、わからないのかもしれない。でも、読者の方々も、生まれ育った故郷を離れて生活している人は、故郷を思わせる何かで、似たような経験はないだろうか。

国家とEU、そして日本

欧州は、他と異なる特徴のある地域である。

さほど大きくない面積の所に、たくさんの先進国が詰まっている。そしてEUがある。

EUの政策のおかげで、県境をまたぐがごとく、車や列車で隣国に簡単に行けてしまう。イギリスは島であるが、ユーロスターで陸続きになっている(ちなみに、3月20日の段階では、ユーロスターは走っている。本数は極めて少なく、パリに3本、ブリュッセルに2本、アムステルダムは運休である)。

「国境なき欧州をつくる」というのが、EUの理想だった。

でも、今は国境管理が復活して、EUは大きな困難にぶつかっている。そのかわりに「国家」が大きく前面に現れている。

この原稿を書いている途中の27日、エールフランスが4月の運行を発表した。

たった1本だけ、毎日ではなく週数便であるが、パリと東京間を運行する予定とある(これで欧州の日本人は、ドイツ1点になだれこまなくても良くなった。ほっとした)。片道の特別料金の切符も、引き続き売っている。筆者が調べてみた時点では、片道6万7000円でおつりがきた。とても安い。

自国民、そしてEU国民の保護のためなのだろう。

危機になると、結局頼るのは「国家」なのだろうか。

フランス人の日本の旅行者は多いと思う。フランス人は大変な親日家で、人口比でいうと、日本のマンガが世界で最も売れている国はフランスである。それでも日仏は、ビジネスや政治、軍事関係で、死活問題にある関係とは思えない。1ヶ月以上も猶予期間をもうけているとは、とても長いではないか。

このような特別措置を1ヶ月以上続けて、自国民とEU国民の保護を続けるフランスのエアーと、たった数日くらいで欧州主要都市のフライトを慌ただしく止めてしまった日本のエアー。どうしても比べてしまう。なぜこうなったのだろうか、と考えてしまう。

コロナ危機は戦争ほどではないから、「欧州はEUがあるんだから大丈夫だ」「他の国のエアーが飛んでいれば、いいではないか」という話なのだろうか。でも、日本のエアーが運行停止を決断した時点では、エールフランスの4月の運行は、決まっていなかったはずだ。もっぱらルフトハンザに頼るつもりだった?

最終決断をしているのは航空会社なのか、国交省なのか、政府なのか。

「新型コロナにかかったら飲んではいけない薬」問題といい、感染対策といい、エールフランスのことといい、フランスは危機管理がしっかりしている国だなあと思う。大至急、徹底的な自国の封鎖はするが、外国にいる自国民・EU国民のことも忘れない。日本は真逆である。

なぜこうなるのだろうか・・・。

後編「アジア+オセアニア」に続く。


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