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Airline & Airport(航空会社・航空路線・空港)スレ
6862
:
チバQ
:2019/12/10(火) 19:33:17
◆どうなる成田
パイロット不足は両社共通の悩みだが、成田では地元にとってトラウマとも言える出来事が今から4年前にあった。ヴァージン アトランティック航空(VIR/VS)の撤退による、ANAの成田-ロンドン線のコードシェア消滅だ。
2010年10月に羽田空港が再国際化した際、羽田から航空会社が国際線を運航する場合は、成田からも同じ国へ向かう便を残すという、国土交通省航空局(JCAB)や自治体と航空会社間の取り決め、いわゆる「成田縛り」が交わされた。2015年2月にヴァージンが日本から撤退した際、ANAは羽田へ自社のロンドン線を移していたため、成田縛りに従うと成田からロンドン線を復活させ、両空港から運航しなければならなかった。
しかし、4年が過ぎた現在もANAのロンドン線は羽田発着のみで、成田便は復活していない。乗り入れ先であるヒースロー空港の発着枠に余裕がないことや、需給バランスといった複合的な要因によるものだが、地元では“紳士協定”が反故(ほご)にされたと受け止める関係者もいた。その後もパリ線撤退、ブリュッセル線就航と、羽田再国際化の前と比べると、欧米の主要都市と日本を結んでいた成田の位置づけは様変わりしていく。
今回の増枠による路線移管も、ヴァージン撤退の時と同様、再びANAの国際線が縮小されるのではとの不安が地元を覆う。
公共財である発着枠の有効活用という観点では、現在の発着枠が配分されたにもかかわらず、ANAの計画がなかなか明確にならない点は、監督する国交省だけではなく、海外の航空会社も厳しい目を向ける。訪日客数の伸びが鈍化していることからも、少しでも多くの利用者を運ぶことが、増枠する本来の意義だ。
弊紙が独自取材で報じたように、ANAは夏ダイヤ初日から運航できない路線のうち、羽田-ミラノ線を深夜便で週3往復運航する方針だ(関連記事)。本来、昼間時間帯(午前6時から午後10時55分まで)の発着枠を獲得すれば、深夜早朝帯(午後10時から翌日午前6時55分まで)も飛ばせるものの、昼便のほうがより多くの利用者が見込める。深夜早朝にミラノ線を飛ばす理由としては、機材や乗員繰りが関係しているようだ。
大きな変革期を迎える羽田。一時的に羽田や成田の便数に変化が生じるのは致し方ないだろう。しかし、今回は羽田の飛行ルート変更など、周辺自治体も巻き込んだ発着枠拡大であり、訪日外国人のさらなる獲得を考えると、夏ダイヤ初日から有効活用されない発着枠が生じること自体が問題であり、国として損失につながる。
路線を開設したい海外の航空会社があるならば、一定の条件を設けてでも、有効活用するほうが我が国の発展に少しでもつながるのではないだろうか。
Tadayuki YOSHIKAWA
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