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Airline & Airport(航空会社・航空路線・空港)スレ

5953チバQ:2016/11/07(月) 13:29:26
(1)ビジネス旅客の獲得


 低運賃志向の需要を開拓し尽くすと、LCCは旅客単価の高いビジネス旅客市場への参入を開始した。そこはFSCの牙城だ。LCCは、ビジネス旅客に乗ってもらうためにハブ空港への乗り入れを開始した。オンライン直販最優先の販売戦略を改めて、旅行会社経由の販売も開始した。旅行会社経由で販売するためには、GDS(グローバル・ディストリビューション・システム)にも参加し始めた。ちなみにGDSとは、世界の航空会社を、乗り継ぎ便の飛行区間を含めて瞬時に予約できるシステムである。高い利用料の支払いを嫌ってGDSに参加していないLCCも多い。
 2015年に年間旅客数1億人を運んだ欧州最大のLCCライアンエアーは、追加料金なしで予約変更ができるビジネス・プラス運賃を導入し、GDSはおろかグーグルの航空便検索である「グーグル・フライト・サーチ」にまで参加した。直販最優先のマーケティングからの決別である。
 その上で、ライアンは客室の快適性の改善にも乗り出し、座席ピッチ32〜34インチのプレミアム・エコノミークラスを導入した。他のLCCでも座席ピッチの広いプレミアム・エコノミーやビジネスクラスを導入し、単一クラスから二クラス制に客室仕様を変更している。米LCCのジェットブルーは、フルフラットのビジネスクラスである「ミントクラス」を米大陸横断線に導入した。シンガポールのLCC、スクートは31インチのスタンダードシートに加え34インチのスーパーシートを導入、エアアジアXのビジネスクラスにはフルフラット座席が設置されている。
(2)長距離路線への進出

 法人需要の獲得に加え、長距離路線を開設しているLCCもある。それらのLCCは、A330型機やB787型機などの航続距離が長い中型機を導入している。北大西洋路線ではノルウェーのノルウェージアン・エアーシャトル、アイスランドのWOWエアー、カナダのウエストジェットが欧州と北米を結ぶ路線に就航している。長距離路線でも、LCCの運賃はFSCよりも安い。

 ノルウェージアンは、欧州―米西岸路線の今冬の往復運賃を450ドル(約4万5000円)に設定した。WOWは、11月25日から開設するレイキャビック(アイスランド首都)―ニューヨーク線を、なんと片道最低99ドル(約9900円)で売り出す。そして、この便を使用してWOWの欧州域内路線へ乗継ぐ便を片道149ドル(約1万4900円)で販売する。ノルウェージアンは、オスロ-バンコック直航便も運航している。ジェットブルーは、19年に導入する航続距離の長い航空機(A321LR)を使用して、大西洋路線の乗り入れを計画していると噂されている。
 
 アジアでは、エアアジアXが12年に運航停止した欧州線を復活、10月30日からクアラルンプール-イスタンブール-バルセロナ線を開始する。スクートは、シンガポール-アテネ線を17年6月から開始する。このアテネ線はLCCが運航する世界最長路線(1万km以上)となる。スクートは、アテネ線に投入するB787型機に38インチ座席ピッチ18席のビジネスクラス「スクートビズ」を導入して2クラス編成とする。
 ではなぜ今、コストがかかる長距離路線では成功しないといわれてきたLCCが、次々と誕生しているのか。その背景について次回みていきたい。
(文=牛場春夫/航空経営研究所副所長)


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