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Airline & Airport(航空会社・航空路線・空港)スレ

5183チバQ:2015/03/18(水) 23:00:05
●事前広報が顧客の満足度を上げるカギ

 サービスを研究するサービスサイエンスという学問においては、客がサービスを利用する前に抱いている期待(事前期待)を、実際に利用した後の感想や評価が上回れば満足することがわかっている。反対に、期待が大きすぎると評価との差が大きくなり、不満足度も大きくなる。つまり、顧客満足は絶対値ではなく、事前期待と実績評価の相対値で決まるとされる。

 そうした観点で見ると、LCCのサービスについて、関西圏以外の日本の消費者は、事前にサービスと価格との間にトレードオフがあることを十分に知らされていなかったのではないかという疑問が生じる。つまり、LCCにはサービスを期待すべきではないという広報活動(啓蒙活動)が足りていなかったということだ。

 例えば、欧州最大の旅客数を誇るLCC、アイルランド・ライアンエアーのマイケル・オーリアリーCEOは、過激な発言で頻繁にメディアをにぎわせる。11年には、機内トイレを有料にしたいと発言して話題になった。「乗客が空港で用を足してくれば、トイレの数を減らすことができ、それが座席数の増加につながり、結果として運賃を安くすることができる」として、有料トイレは客にとっても得になると説いた。

 実施するか否かは別にして、このような発言はメディアも面白がって取り上げ、それが客の事前期待をつくる。06年に持ち込み荷物の有料化に踏み切った際には批判もあったが、「有料にすることで客は機内持ち込み荷物を減らそうと考え、チェックインカウンターや係員の数も減らせるので、コストが下がり、運賃を減らせる」と説明し、実行に移された。手荷物一個につき約500円徴収したが、基本運賃を同額値下げしたため、客も文句を言えなかった。このような経緯であれば、「価格」と「サービス」はトレードオフの関係にあるということを一般消費者も実感できる。さらに、会社経営者のコスト削減に対する真剣さも実感できる。

 オーリアリーCEOについては、12年には立ち席をつくる計画もしたが、規制に反するとの指摘を受けてあきらめたといった報道もあった。このようなニュースがメディアに登場すればするほど、ライアンエアーはコスト削減に貪欲な会社→それだけ料金が安いという事前期待ができあがり、敷居が下がる。そして実際に乗ってみると、思っていたよりは乗り心地もサービスも悪くなかったと高評価を得られることになるのだ。

 ピーチが就航前に関西国際空港で開いた運賃発表会では、「大阪-札幌4780円」「機内サービス有料」という手書きのボードが使われ、いかにコストをかけないように準備したかを印象づける記者会見になった。事務所の備品をネットオークションで購入したことや、1円単位のコスト削減策が話題になり、メディアで紹介された。これも事前期待をつくるためのPR活動として効果的だった。


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