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Airline & Airport(航空会社・航空路線・空港)スレ

3958チバQ:2012/10/01(月) 23:37:05
 座席は薄っぺらく、路線バスのようだ。座席の下には救命胴衣。ただ、客室乗務員(CA)は日本のように装着の仕方を教えてくれない。しかも説明は中国語で書かれている。

 機体、内部の装備すべてが、外国製ではないか…。ただ、よく見ると、前の背もたれに入っていた気分が悪くなった際に使う紙袋は朝鮮語で印刷されていた。

 いよいよ離陸となったとき、さらに驚かされた。

 飛行機が滑走路を走っている際も、真っ赤な制服のCAは立ったままなのだ。離陸時は、着席して座席ベルトをして座っているのが普通だが、CAは通路の両サイドの背もたれをつかみ、離陸時の振動を踏ん張って耐えているのだ。

 高麗航空には「ナゾ」の部分が多いが、安全基準に重大な欠陥があるとして、2002年からEU域内への乗り入れの全面禁止措置が取られていた。10年に一部解除されたそうだが、17年前のことを思い返すと、この措置も納得してしまった。

 ■「安全」より「メンツ」優先

 訪朝からの帰路はさらに驚きと恐怖が待っていた。

 訪朝日程を終えて平壌空港で帰国の便を待っていると、飛行機はあるのに、搭乗手続きが始まらない。空港関係者らはこそこそと話し合っている。何かトラブルでもあったようだ。何の説明もされないまま時間が過ぎた。

 同行した朝鮮語のわかる記者が関係者の近くで様子をうかがい、戻ってきた。

 「何があったの」

 「どうやら新潟空港が雪で閉鎖になっているらしい。名古屋空港に降りるかどうかを調整しているみたいだ」

 当時は大阪勤務。「名古屋なら新幹線で大阪に戻れるな」などと考えていると、その記者がこう付け加えた。

 「ところがですね、朝鮮総連の関係者が新潟空港に向かうと譲らないんですよ」

 「なんという無茶なことをいうねん。殺す気か」

 その言葉しか浮かんでこなかった。

 今回の訪朝団の帰国を出迎える朝鮮総連の関係者が新潟空港に待機しているため、名古屋空港に降りるとなると飛行機が到着するまでに関係者が新潟から名古屋への移動が間に合わないことが新潟行き強行の理由ようだった。

 その後、天候は回復しつつあるという理由で、新潟空港に向かうことになったのだが、それも本当かどうかも確認できない。「安全」よりも「メンツ」のほうが優先されるけったいな国。「拉致はでっちあげ」と言い張ったこともよくわかった。

 ■閉鎖の新潟空港の強硬着陸

 平壌空港は快晴だった。

 「いくらなんでも危険なら新潟空港には降りないだろう」

 誰もがそう思いながら帰国の途に着いた。ところが、日本に近づくにつれ、窓の景色は一変する。遥か向こうには雲の塊。そこに飛行機は突っ込んでいく。しばらくすると、窓の外は雲で真っ白になった。同行していた別のメディアのカメラマンが不安なことを口にした。

 「これはホワイトアウトですよ」

 つまり、視界が白一色になり、方向や高度、上下左右がわからなくなる危険な状態だというのだ。

 あとは高麗航空のパイロットの腕を信じるしかない。機内は静まり返り、激しい機体の振動に伴うガタガタという音だけが響く。変わらないのはCAの様子だけ。背もたれをもって通路で踏ん張っている。

 どれぐらいの時間が経過したかはわからなかったが突然、新潟の町の雪景色が窓の外に広がった。着陸後の機内が拍手と歓声に包まれた。誰かが言った。

 「さすがは軍のパイロットやね」

 確かに、平壌空港で見かけたパイロットは民間の航空会社のように黒の制服ではなく、北朝鮮の軍人がよく着ているような茶色の帽子と制服だった。とすると、通路で踏ん張っていたCAも軍人か…。

 その日の新潟空港はかなりの積雪で、伊丹空港行きの便は2時間ほど待たされた。やっぱり、高麗航空は閉鎖中の新潟空港に突っ込んだのだった。


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