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Airline & Airport(航空会社・航空路線・空港)スレ

388千葉9区:2009/03/09(月) 21:37:07
 2年後の07年7月に事態が思わぬ方向へ動く。ANAが静岡空港から那覇と札幌に就航することを表明した。これに仰天したのが、JAL。2社が就航すれば採算が取れなくなると反発し、協定を白紙に戻すと県に通告してきた。単独就航が崩れ、へそを曲げたのである。県も大あわてとなり、知事自らがJALを訪問、就航をあらためて要請した。

 そして、07年10月。JALと静岡県が新たな覚書を締結し、札幌1便と福岡3便の就航表明となった。その際、搭乗率保証の導入の検討を含め、運航支援策の内容について引き続き協議することになった。福岡便への搭乗率保証の話はおそらく、この時点で落着していたものと考えられる。

 ところで、静岡県が搭乗率保証制度導入を明らかにしたのは、今年2月のことだ。そのための債務負担行為が09年度予算案に盛り込まれ初めて内容が示された。日頃おとなしい県議たちもこれには憤慨したようだ。各会派への事前ヒアリングで説明はなかったからだ。「寝耳に水の話」だったのは、ANAだけではなかったのである。情報をぎりぎりまで伏せておく県の体質が如実に表れている。

JAL福岡便のみ
優遇の不透明性
 搭乗率保証による負担は決して少額ではない。県の試算によると、目標搭乗率が1%下回っただけで保証額は年間約3800万円となる。仮に10%下回れば、3億8000万円だ。県の予測では福岡便は年間約24万人の需要が見込まれている。

 一方、就航予定の機材で搭乗率100%の場合、総利用者数は約29万人になる。その7割は約20万3000人なので、県は搭乗率が7割を下回ることは想定していないと、強気である。需要は十分あるが、「まさかのときの下支え」という。

 しかし、石川知事は定例会見で搭乗率保証がなければ、現在の1日3便は確保できなかった可能性を認めている。裏を返せば、航空会社は3便飛ばすほどの需要はないと判断していたということだ。また、県は開港後半年で見直し、その時点で実績が悪ければ、減便などの対応も考えるという。
 そもそも一定の需要があるとの前提で空港設置が認められたはずで、開港前から搭乗率保証を導入すること自体、奇妙な話である。

 それにしてもなぜ、福岡便にのみ搭乗率保証なのか。県は「新幹線と競合すること」も理由として挙げた。つまり、鉄道と航空という競合する民間企業の一方にのみ、税金による支援を行なうとの意思を表明したのである。これまた、公正な競争を阻害する行為に当たるのではないか。



 その一方で、石川知事は議会での質問に対し、「(静岡空港直下の新幹線新駅設置について)私は諦めていない。10年近く封印していたが、これからはJRに主張をどんどん言う」と、答えた。

 静岡県はかつて、直下に東海道新幹線(静岡駅〜掛川駅間)が走る牧ノ原台地が空港建設地となったことから、新幹線新駅の設置構想をぶち上げ、JR側に要望した。

 しかし、当然のことながら、JR側からは色よい返事を得られなかった。それを受け、静岡県議会で新幹線に通行税を課す構想が語られるなど、微妙な関係が続いている。もっとも、一方だけがカッカと熱くなっているのが実情だが。

 揉め事といえば、例の立ち木である。滑走路を短縮しての暫定開港を余儀なくされた県だが、所有者との話し合いはまとまらず、航空法に基づく除去請求権の行使に向け、手続きを進めている。訴訟となれば、時間はさらにかかり、立ち木が大きく伸びることもありうる。滑走路を再度、短縮するといった漫画のようなことがあってはならない。

(『週刊ダイヤモンド』委嘱記者 相川俊英)


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