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Airline & Airport(航空会社・航空路線・空港)スレ

3141チバQ:2011/08/29(月) 21:54:09
 国際線はまだ理解できる。オープンスカイが進み、成田の発着枠も拡大することで、今後は海外からのLCCの流入は避けられない。先んじて手を打ちたいという日系2社の思惑は納得できる。また、企業のアジア進出は今後も加速し、ビジネス用途で乗る人もいるだろう。レジャーも航空運賃が安くなれば、気軽に海外に行こうとする人も増えるはずだ。

 問題は国内線だ。例えばLCCで成田-沖縄線などができれば、「1万円安いのなら、頑張って成田まで行こう」という人も出てくるだろう。ただ国内線は、ほぼ日系2社が守り続けてきた“既得権益”。JAL、ANAとも売上高の半分以上を国内に依存しており、その傾向は近年さらに高まっている。

 おそらく国内線参入の背景には、カンタスグループ、エアアジアからの強い申し入れがあったと考えられる。JAL大西社長は会見の場で、「(JALとジェットスター・ジャパンの)カニバリゼーションを極小化できると判断したので設立合意に至った」としながらも、具体的な方法については「公開する代物ではないので控える」と言及しなかった。

 ドル箱の国内線をある程度明け渡してまでも、結果としてプラスになるという揺るぎない勝算があるのか。今のところその道筋は見えない。

怖いのは「消滅」よりも「膨張」
 JAL、ANAの目標は、本業とLCCとの共存にある。しかしながら、欧米の国内、近距離路線はLCCが席巻していることからも明らかな通り、国際的に見てもフラッグキャリアとLCCが共存できているケースは極めて稀だ。

 数少ない事例としてあるのが、前述の豪カンタスグループ。カンタス航空と、その100%子会社であるLCCのジェットスターは同じ国内の路線などを持ちながらも、うまく共存できているように見える。

 ただカンタスの場合は、日本の現状とはややLCCの成り立ちが異なる。オーストラリアはカンタスが一時期国内市場をほぼ独占していたなか、英ヴァージン・アトランティック航空がLCCの「ヴァージン・ブルー(現ヴァージン・オーストラリア)」を設立した経緯がある。ジェットスターを立ち上げたのはこれに対抗するという明確な意図があった。また、「オーストラリアの強い経済成長力や国内の観光市場などが2つのブランドの両立に一役買っている」(カンタスグループ広報)という点も見逃せない。

 一方の日本は、未だ黒船ならぬ外資の“黒い翼”が上空を飛んだことはない。まだ見ぬ海外勢に対して先手を打つというよりも、JALとANAがお互いを強烈にライバル視するあまり、ともにLCCを作って相手を牽制する、という構図にも見える。

 航空業界に詳しい早稲田大学アジア研究所の戸崎肇教授はLCCの開始自体を歓迎する一方で、「国内線は比較的収益は安定しているにもかかわらず、外資を連れてくるのは疑問。エアアジアらがライバルとして日本に本格参入するくらいなら、手を組んで手綱を少しでも握ったほうがいい、と判断したのではないか」と話す。

 前述したように、LCCは繁栄か淘汰かという二極化の印象が強い。ビジネスモデルとしての危うさが少しでもあれば、オアシス香港やテッドと同じ道を歩みかねない。

 いや、うまくいかずに消滅というのならばまだ良い。最悪のシナリオは、LCCが予想をはるかに超えて“膨張”し、JAL、ANAから顧客を奪い続け、本業がジリ貧になってしまうことだろう。

 日系2社が手を組んだエアアジア、ジェットスターは海外での実績も非常に豊富なLCCの勝ち組だ。この“用心棒”たちをJALやANAはうまくハンドルできるのか。彼らが日本の空における「獅子身中の虫」にならないことを願う。


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