したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

人権・差別・同和問題

338名無しさん:2019/01/26(土) 22:46:35
>>337

■アメリカでは絶対NGな「ホワイトウォッシング」

 2015年に起こった「#OscarsSoWhite(オスカーの候補者がすべて白人だったことを示す)」批判をきっかけに、ハリウッドは多様化に向けての努力を強いられてきた。そんな中で、“ホワイトウォッシング(白人でない登場人物を白人の俳優が演じること)”は、完全なるタブーとなっている。

 2015年のキャメロン・クロウの『Aloha(日本未公開)』は、ハワイアンという設定のキャラクターに、白人の中でもとりわけ肌の白いエマ・ストーンを起用したし、日本アニメの実写化『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)にはスカーレット・ヨハンソンが主演したが、あんなことはもはや許されない。すでにたくさん役がある白人がわざわざマイノリティーから役を奪うなというのもあるが、それ以前に、こんなキャスティングをすることで、「やはり主役は白人なのが普通」「白人のほうがきれいだから」という価値観の上塗りをするのが問題なのだ。

 さらに、別の人種が魅力をアピールする機会が失われてしまうということもある。そこが、本当の「多様化」の目的なのだ。白人だらけだと言われないよう、とりあえず黒人やアジア人を1人入れておくというのでは、真の解決にはつながらない。「かっこいい」「あこがれる」と感じさせる形はさまざまであり、それをリアルな形で見せることこそが、求められているのである。

 大坂なおみは、まさにそれをやってきた人だ。自分が得意とするものを見つけ、そのための努力を重ねて、グランドスラム優勝を果たした。彼女をお手本と尊敬する少女たちは、世界にどれほどたくさんいることだろう。その少女たちが、もし、あのCMで肌が白くなり、鼻が細くなった彼女の姿を見ていたら、どう思っただろうか。「大坂なおみですら、やっぱりああ見えたいんだ」と思ったのではないか? 

 『ブラックパンサー』に出演するマイケル・B・ジョーダン(ちなみに大坂は彼のファンである)は、「あの映画の成功は、僕ら(黒人の)コミュニティーにとって大きな意味があった。子どもたちは、自分みたいな人がスクリーンに出てくるのを見られたんだよ。アフリカ系の子どもにとっては、自分たちの祖先がどこから来たのかということを認識するのも大事なこと。僕は、映画を通じて、それをやってみせられたんだ」と語っている。

 日本ではまったく受けなかった『クレイジー・リッチ!』(2018年)がアメリカで評価された大きな理由も、それだ。この作品は、アジア系がアジア系として振る舞い、輝いていた映画。それが人種を超えて大ヒットした。「Young, Gifted and Black」ならぬ、「Young, Gifted and Asian」である。今、世の中は、そちらへ向かっているのであり、人々はそれを祝福しているのだ。

■あまりにも「時代とズレている」今回のCM

 今回の出来事には、もうひとつ皮肉がある。カップヌードルの消費者にはマイノリティーも多いという事実を、日清が完全に無視していることだ。このCMが日本の視聴者に向けて制作されたものであるにしても、世界規模で展開する企業にしては、あまりにズレている。

 クレジットカードであれ、車であれ、通信会社であれ、今、アメリカのCMには、有名、無名にかかわらず、マイノリティーが多く登場する。そうすることで、すべての消費者に、この商品はあなた向きですよと呼びかけているのだ。もちろん、テレビに出るそれらの人たちは、肌を白くしたりなどしていない。

 それが時代の流れ。なんでもアメリカが正しいと言うつもりはないし、「これは日本向けだから」と言うならば、もちろん、それはその会社の選択だ。だが、日清のような世界中の人たちを相手にする企業であれば、今、世の中がどんなところにあるのかくらいは、わかっていたほうがいいのではないかと思う。

猿渡 由紀 :L.A.在住映画ジャーナリスト


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板