したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

人権・差別・同和問題

153名無しさん:2015/10/03(土) 10:10:44
>>152

 現在、シェンゲン協定はほとんどのEU加盟国とスイスで締結されており、その数は26ヵ国に及ぶ。26ヵ国で構成されるシェンゲン圏には来年新たに4ヵ国(クロアチア、ルーマニア、キプロス、ブルガリア)が加盟する見通しだが、シリアなどから大量の難民がヨーロッパに押し寄せてきたことが原因で、シェンゲン協定の見直しを求める声が日に日に高まっている。

 ハンガリーとセルビアが国境を封鎖したため、中東・アフリカ方面からの移民が大挙して押し寄せるようになったクロアチア。ザグレブ在住の著名なジャーナリストでクロアチア国内の難民問題をレポートするバルバラ・マテイチッチさんは、他国の政策に翻弄される形で、クロアチア政府も国境管理を強化せざるをえなくなった背景について語り、シェンゲン条約の効果そのものがドミノ倒しのように崩壊しつつある現状を語る。

 「これまでにクロアチアに入国した難民は5万人程度といわれています。ほとんどの難民はすでにクロアチアを離れ、スロベニアやオーストリアに向かっていますが、クロアチアで保護を受ける難民もわずかながらいます。難民問題が深刻化し始めた当初、クロアチアのミラノヴィッチ首相は国境の封鎖を違憲として、クロアチア政府として一連の流れに加担することはできないと語りました。しかし、ハンガリーとセルビアが国境を封鎖して難民をクロアチア側に事実上誘導させているというニュースが報じられ、24日にクロアチア政府はセルビアとの国境に設けた8つの国境検問所のうち、7つを封鎖したのです」

 マテイチッチさんが続ける。

 「クロアチアは24年前に戦争を経験しているため、国内メディアは難民問題を人道的な問題として連日伝えています。難民問題に関しては、すべてのヨーロッパ諸国に受け入れや支援の義務があり、ヨーロッパ以外の国でも、シリアの内戦に経済的・政治的理由から何らかの形で関与した国々に何らかの責任が存在するのではないでしょうか。各国の思惑は様々で、シェンゲン協定の事実上の破綻が示すように、ヨーロッパが一枚岩となって難民問題に取り組むことは困難です」

 シェンゲン協定の事実上の破綻や、難民受け入れの義務化をめぐって各国の温度差が明るみになるにつれて、共同体としてのヨーロッパの根底が揺らいでいる。難民の流入は出生率の低下や労働人口の減少に悩むバルト3国や東ヨーロッパの一部の国にとって、問題解決の突破口になるといったポジティブな見方も存在するが、多くの難民を受け入れるだけの体力と世論はない。各国の思惑が一致しない状況が続くなか、現在もヨーロッパを目指す難民は後を絶たない。

仲野博文


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板