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仙台・宮城・陸奥
2357
:
荷主研究者
:2015/11/28(土) 21:44:05
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151102_13012.html
2015年11月02日月曜日 河北新報
<楽都の行方>市民参加の議論不可欠
県民会館として宮城の芸術文化活動を支えてきた東京エレクトロンホール宮城。築50年を過ぎた=仙台市青葉区
◎仙台音楽堂構想(中)拠点のかたち
仙台の街は、夏から秋にかけて音楽イベントに彩られる。
定禅寺ストリートジャズフェスティバル、仙台クラシックフェスティバル(せんくら)。3年に一度の仙台国際音楽コンクールは、国内外の若手の精鋭が仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演して腕を競う。
「演奏家と聴衆を育てる国際コンクール、市民が楽しむフェス、プロのオーケストラの三つがそろう大都市は東京を除けば仙台だけ。それなのに楽都にふさわしい音楽ホールがない」
せんくらなどの企画運営を手掛けるジェスク音楽文化振興会(東京)事務局長の堤正浩さん(54)は言い切る。
<専用か多機能か>
仙台の音楽環境に合った音楽ホールとして思い描くのは、東京のサントリーホールに代表されるアリーナ形式のクラシック専用ホールだ。舞台を囲むように客席が配置され、好きな場所から楽しめる。
「優れたホールがあれば、仙台の名が音楽を通じて世界に広まる。住む人の誇り、財産になる」
東京エレクトロンホール宮城(青葉区)といった一般的な公共ホールは多機能型が圧倒的。音響面では専用ホールにかなわないものの、コンサートのほかオペラや演劇などに使える。
いわき市や北上市など全国約150の文化施設づくりに携わってきた劇場コンサルタントの伊東正示さん(63)=シアターワークショップ(東京)社長=は「可変型の残響装置や反射板など、今の技術なら多機能型ホールでも高い水準の音響を実現できる」と話す。
一つの分野に特化する専用ホールは施設の個性を打ち出しやすいが、地方で採算が取れるかどうかは分からない。多機能型は使い勝手がいい半面、建設コストが増える可能性がある。
専用か、それとも多機能型か。仙台市内に2000席規模の音楽ホール建設を目指す市民グループや地元経済界、行政の間でも方向性は定まっていない。
加えて2000席規模を確保するには、7000平方メートル以上の広大な土地が必要とみられる。建設費は100億円超、運営費は年5億〜10億円に上る。運営費も含めてどうするか、課題は尽きない。
<賛否は真っ二つ>
市民レベルの機運の盛り上がりもこれからだ。民間調査会社が1月までにまとめた市民アンケート結果によると、音楽専用ホールに関する賛否は「必要派」49.8%、「不要派」49.6%と真っ二つに割れた。
「ホールは都市機能の一つで、日常的に人が集まる中心部にほしい。暇があれば寄りたくなるような空間が理想的」と劇場コンサルタントの伊東さん。「実現するには構想段階から市民が参加し、ニーズに合ったかたちを見つけていくことが重要だ」と呼び掛ける。
[メモ]東北で2000席規模の音楽ホールがあるのは青森、岩手、福島3県。未整備の3県のうち秋田、山形は建設事業が進む。秋田市では2021年、県民会館と市文化会館を統合した新施設が完成する。山形市ではJR山形駅前に19年、県民複合文化施設が開館予定。宮城県に具体的な計画はない。
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