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Game全般

353名無しさん:2015/05/31(日) 21:45:18
http://bylines.news.yahoo.co.jp/hirabayashihisakazu/20130421-00024503/
日本的美徳がファンを魅了した。将棋・電王戦
平林久和 | 株式会社インターラクト代表取締役/ゲームアナリスト
2013年4月21日 10時37分

将棋というゲームに審判はいない。
敗者が自ら負けを認めたときにゲームは終了する。

「負けました」とはっきりと声に出して言う。朝から夜まで目の前に座っていた対局者に聞こえるように言う。大きな棋戦ならば、立会人にも聞こえるように負けを宣言することが、古くから続く将棋の作法だ。声を出すと同時に、右手を駒台に置く。この所作もまた、敗北を宣言するときに欠かせない作法のひとつである。

勝者は平静を保たなくてはいけない。ガッツポーズなどはもってのほかで、笑うことさえも許されない。勝敗が決まった瞬間に勝者がするべきことは、ただひとつ。「ありがとうございました」と敗者に向かって礼を述べることである。

第2回・将棋電王戦が終わった。最終局、第5局はコンピュータ側の勝ちだった。第22回世界コンピュータ将棋選手権で優勝した「GPS将棋」は強かった。プロ棋士の最高クラスA級に属す三浦弘行八段に「(自分の指し手の)どこが悪かったのかが、わからない」「(GPS将棋には)つけいるすきがない」と言わせるほどの完勝だった。これで全5戦の通算成績はコンピュータの3勝1敗1引き分けとなった。

コンピュータと人間が対局する電王戦は大いに盛り上がった。「他のタイトル戦よりもはるかに多くの報道陣が将棋会館に来ている」と語ったのは、第4局で解説者をつとめた木村一基八段だ。電王戦の主催者、株式会社ドワンゴの川上量生(かわかみのぶお)代表取締役会長は、同社が運営する「ニコニコ動画での電王戦、総視聴者数は190万人」と語った。将棋人口は減っているにもかかわらず、電王戦がこれほどまで世間の注目を集めたのは、そこに上質な人間ドラマがあったからだろう。

電王戦の対局で、プロ棋士の前に正座するのは人である。奨励会と呼ばれるプロ棋士養成機関に所属する若手が、コンピュータが選んだ指し手にしたがって駒を動かす。勝負が終わると、奨励会員と席をかわってソフトウェアの開発者が将棋盤の前に座る。そして終局の挨拶を行うのだが、このとき、開発者たちは皆、居住まいを正して深々と頭を下げた。対局後には記者会見を行う。会見場でソフトウェアの開発者たちは口々に、プロ棋士との対戦が実現できたことへの感謝の言葉を述べた。

コンピュータというと、ともすれば冷たい印象を受けるが、電王戦に出場した開発者たちは他者への思いやりに満ちていた。対局中、記者会見、休憩中、終局後、どんな時でもプロ棋士への敬意を全身で示す。ゆえに将棋ファンたちは、コンピュータを憎い敵とは思わない。ただの機械とも思わない。血の通った好敵手とみなして、この棋戦に夢中になったのだ。


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