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Game全般

295名無しさん:2015/05/10(日) 16:35:54
>>294
 
 ということで、電王戦FINALはこれで全て終了した。プロ棋士の意地を見せた形でなんとか勝ち越せたが、これまでにない展開も多く、見どころはとても多かった。第1局は斎藤慎太郎五段の完勝といっても過言ではない展開。第2局は、角不成がコンピューターにとって想定外というバグによって終了したが、たとえ続いても永瀬拓矢六段が勝利していただろう。第3局は、稲葉陽七段のミスが響きコンピューターの勝利。第4局はponanzaの完勝といえよう。
 
 こうして振り返ってみると、開発者の思いとプロ棋士の思いがこれほど交錯した電王戦はなかった。今回、プロ棋士側はFINALということもあり、背水の陣で臨んできており、どんなことをしてでも勝つという思いが強かったことだろう。逆に開発陣の方々は勝ちたい思いは変わらないにせよ、戦い方にこだわ りを持っている人が多いように見受けられる。
 
 第1局、Aperyの開発者・平岡氏は、どんなことがあっても最後まで指すとして、投 了宣言をせずに最後まで指し続けた。最後は、自玉が即詰みされる状況で王手になる手を指し続けたが、プロ棋士はもちろん、コンピーター側もこれまで負けた 対局はすべて投了を宣言してきた。人間どうしの将棋からすればとても違和感のあることだが、コンピューターどうしでは普通であり、将棋のルール上もまった く問題ない。電王戦を象徴する一局と言えよう。
 
 第2局の永瀬拓矢六段が角不成りを指したことは、時間を稼ぐためであり、人間どうしならありえない手だが、将棋のルール上もまったく問題ない。Seleneのバグによって終局してしまったが、棋力の変わらない致命的なバグは確か修正してもよいは ずなので、このバグの存在は開発者に教えても良かったかもしれない。
 
 そして第5局の△2八角戦法。これも人間どうしなら指さない手だが、コ ンピューターが判断して指した以上、バグでもなんでもなく、将棋のルール上もまったく問題ない。ハメ手などと言われているが、この手が出てしまうのはコン ピューターの評価関数の難しさのひとつであり、研究して弱点をつくというのは人間の知性の高さの表われだと思う。川上会長が会見で“異種格闘戦”と評した が、まさにその通りかもしれない。
 
 もちろん、この△2八角戦法が全ての対局で行なわれたのであれば、見ている側はおもしろくないだろう。す べての対局で違う攻めをし、勝敗が決まった。最後の対局を含め、ワクワクしながら観戦し予想しなかった結果も生まれたことに、電王戦をずっと追ってきた筆者としては、とても満足しおもしろかった。
 
 質問で人工知能の話が最後に出てきたが、現代の将棋ソフトはボナンザの登場以来、合法手を総当り に探索し最善手を見つけ出す手法が主流となっており、人工知能とは言いがたい。以前は、人間が読むであろう手筋を考えて深く読む手法で、強くはならなかっ たが、まだ人工知能的ではあった。ニューロコンピューターのような脳の働きに似たコンピュターによって動作する将棋ソフトが生まれたら、それはより人間に 近い思考で判断するようになる……かもしれない。そこで強い将棋ソフトが誕生しとき、人工知能に負けたということになることだろう。そんな時代がいつかは 訪れるかもしれない。
 
 次回はタッグマッチかと思いきや、違う棋戦を考えているようである。それはそれで楽しみだが、ワクワクドキドキしながら、プロ棋士とコンピューターの戦いが引き続き見られること期待している。


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