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芸術・美術・音楽

744名無しさん:2021/03/07(日) 10:51:59
>>743

文化活動への萎縮効果は
 この日の判決では実際、この憂慮を汲んだ反対意見が1名の裁判官から出ている。概要をまとめると、久米崇聖会は、琉球王朝時代風の孔子廟を維持すること、祭礼を続け、論語などの東洋文化を若い世代に普及させることを目的としたもので、宗教としての儒教信仰を普及させようとしているとは言えない。祭礼は伝統ないし習俗の継承であって、宗教性はもはや希薄である。その中で、外観のみで宗教性を肯定し、政教分離規定違反とすることは、歴史研究・文化活動への公的支援の萎縮効果などの弊害すらもたらしかねない、というものである(林景一裁判官の反対意見)。
 この反対意見は、多くの文化芸術関係者の懸念をよく代弁しているものではないだろうか。筆者も、この「萎縮」の懸念は、当たっていると思う。
 しかし、この「萎縮」を乗り越える道は、この事例を「合憲」とすることではなく、関係者がこの判決を丁寧に受け止め、憲法の原則を正確に理解することである。筆者が本稿を書いているのも、そのためである。
 そこで、この判決から文化芸術関係者が読み取るべきことを、もう少し丁寧に見てみたい。
 まず、ここまで見てきてわかったように、今回の最高裁判決は、「儒教は宗教か? 孔子廟を公が支援することは憲法20条・89条に反するのか?」という問いに一挙に決着をつける内容ではない。そこを最高裁は判断せず、別の面から検討した。
 したがって、全国にある孔子廟がこの判決によって違憲となるわけではなく、土地の無償使用をいきなり打ち切られる心配もない。ただ、各地で施設のあり方の見直しをする必要はある。判決の論理から言えば、今後、これまで明確に「宗教」として扱われてこなかったものでも、その運営実態から憲法20条違反、89条違反の判断を受ける行事や施設がありうることになるからである。先に見た判断基準からすると、各施設の運営実態や地域住民の受け止め方など、多くの要素と実情に照らして総合的に判断することになるため、今回の判決が影響するかどうかは施設ごとに異なってくる。


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