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市場・株・為替・経済変動・景気循環

1620とはずがたり:2018/03/05(月) 13:43:20
フィ氏曲線は死んだ,むしろ生きてた時期は無かったぐらいに思っといた方が健全なんではなかろうか?

2017年7月5日 / 11:40 / 8ヶ月前
コラム:米国で低インフレと低失業率「併存」の謎=竹中正治氏
https://jp.reuters.com/article/column-masaharu-takenaka-idJPKBN19P0UY?sp=true
竹中正治 龍谷大学経済学部教授

<安定的ではないフィリップス曲線>

経済学の教科書には必ず掲載されているフィリップス曲線であるが、近年この形状に関心が注がれている。横軸に失業率、縦軸にインフレ率を置くと、右肩下がりの近似線が描ける。つまり失業率とインフレ率の間には負の相関関係(トレードオフ)があることを意味する。本論では分かりやすく単純化して、分布の近似線がフィリップス曲線を表すとしよう。

米連邦準備理事会(FRB)はその使命として雇用の最大化とインフレ率の安定という2つの役割を担っている。政策手段として金融政策1つしかないにもかかわらず、FRBが異なる2つの政策目標を実現できるとされる理論的な根拠として、このフィリップス曲線が安定的に存在することが想定されていると言えよう。

ところが、実際にはフィリップス曲線の傾きはそれほど安定的ではない。米国についてざっと概観すると、安定的な右肩下がりの関係があったのは、戦後ではまず1950年代から73年までである。70年代には失業率とインフレ率が同時に上昇するスタグフレーションを経験した。これは最も望ましくない逆フィリップス曲線状態だと言えるだろう。

80年代前半にインフレ体質根絶のために厳しい金融政策が採られ、それに伴う景気後退で失業率は10%まで上昇する代償を払ったが、インフレは鎮静化に向かった。90年代にはインフレ率のすう勢的な低下と失業率の低下という70年代とは反対の望ましい逆フィリップス曲線を経験した。

その後2000年代前半には再び安定した右肩下がりのフィリップス曲線が戻った。後にFRB議長となったバーナンキ氏が2004年に「大いなる安定(Great Moderation)」と呼んだ時期である。しかし、「大いなる安定」の下で住宅バブルが急速に膨張していたわけだ。

ところで、失業率はゼロまで下がらない自然失業率と呼ばれる水準がある。自然失業率は、1)自発的失業率(より良い条件を求めて失業中の労働者)、2)摩擦的失業率(転職活動中の労働者)、3)構造的失業率(職種、年齢、地域などを巡って生じる労働需要と供給のミスマッチ)から成る。失業率がこの自然失業率の近傍まで下がると経済の供給力の限界にぶつかるため、物価は急速に上昇し、フィリップス曲線は急勾配になると考えられてきた。

日銀の黒田東彦総裁や原田泰審議委員らが、日本でも3%割れの失業率になってきたことで(4月2.8%、5月3.1%)、いよいよ賃金上昇、物価上昇という力が強くなるのではないかと期待をにじませる発言をしているのは、こうした考え方に基づいている。

<フィリップス曲線の低位水平化という異変>

ところが、米国のフィリップス曲線に異変が生じている。米国の自然失業率と考えられている4%近傍まで失業率が低下しているにもかかわらず、インフレ率が望ましいと考えられている2%を超えて上がらないのだ。すなわちフィリップ曲線の低位水平化である。

フィリップス曲線の水平化について、論文や調査は近年多く、日銀の調査レポートは欧米諸国の対象16カ国中、13カ国で水平化が見られると報告している(末注1)。

注1:伊達大樹、中島上智、西崎健司、大山慎介「米欧諸国におけるフィリップス曲線のフラット化-背景に関する3つの仮説」日銀レビュー2016年5月


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