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市場・株・為替・経済変動・景気循環

1446とはずがたり:2017/02/22(水) 18:44:45
>>1445-1446
<元高が招く円高リスク>

ただし、その後も一直線に120円を目指す展開になるかと言えば、まだ紆余曲折がありそうだ。冒頭に記載した円安派の「日米金利差拡大」か、円高派の「政治リスク」かで言うと、4―5月にかけては円高派が主張する「政治リスク」が目白押しだ。

まずは4月中に、米財務省が議会に対して「為替報告書」を提出する。最大の注目は、トランプ大統領の選挙中の公約通りに、米政府が中国を「為替操作国」に認定するかどうかだ。ムニューシン米財務長官が2月13日に就任してから、早速、中国の汪洋副首相、ハモンド英財務相、麻生太郎財務相、ショイブレ独財務相らと相次いで電話会談するなど積極的に外交を行う中で、いくら選挙公約とはいえ、中国が4月に為替操作国に認定される可能性は低いだろう。

加えて中国当局はこれまで資本流出に歯止めをかけるために、むしろ人民元買い介入を行っていたのであり、このために中国の外貨準備は急速に減少している。為替を「操作」していることは確かだが、自国通貨安誘導の介入ではないため、これをもって「為替操作国」に認定するのは無理があろう。

もちろん、一部海外メディアでは、「中国と韓国が為替操作国に認定されるのでは」との観測報道もある。また、米上院外交委員会の重鎮、グラム議員(共和党・サウスカロライナ州)は2月19日、「議会では中国の為替操作国認定に対して超党派の支持があるため、仮に認定した場合は、議会もこれを支持する」との見解を示している。もしも認定に至った場合には、一時的とはいえ、人民元高に巻き込まれる形で円高が進行するリスクには警戒が必要だろう。

<ブレグジットの教訓>

また、4月23日にはフランスの大統領選第1回目の投票が行われる。ここではどの候補も過半数を獲得できない見通しで、1位と2位で5月7日の決選投票に持ち込まれる公算が大きい。おそらく極右政党「国民戦線」のルペン党首と、中道・無党派のマクロン前経済相との戦いになるとみられている。

オピニオンウェイの世論調査によれば、2月21日時点で58%対42%と、最有力候補と言われるマクロン氏をルペン氏が急速に追い上げている状況だ。マクロン氏のリードは2週間で約半分になった。ルペン氏は「ユーロの通貨同盟を離脱する」と主張しており、ここのところ仏国債が売られ長期金利が上昇するなど、市場もルペン氏勝利による混乱をじわり織り込み始めた。

実際、ルペン氏の主張するユーロ離脱や、欧州連合(EU)離脱、「自国第一」を明記する憲法の改正などには、議会の過半数の支持が必要であり、国民戦線が過半数を占めるのは困難であることを考慮すれば、ルペン氏が勝利したとしても、これらが実現する可能性は低いと言える。とはいえ、仮に第1回投票でルペン氏の支持率が予想外に高い、あるいは決選投票で実際に勝利するとなれば、いったんは市場がリスクオフに傾き、円高が進行する可能性は高いだろう。

では、やはり円高派が優勢なのか。ヒントは昨年6月の英国民投票でのEU離脱(ブレグジット)決定後の相場動向にありそうだ。実はブレグジット決定後のドル円相場は、106円から99円まで一日で急落したものの、その1カ月後には107円まで回復している。仏大統領選に関しても、ドル円単体への影響は、振れ幅は大きくても一時的に過ぎないだろう。

こうしたイベントを乗り越えて、6月以降、米連邦準備理事会(FRB)が2―3回の利上げを決定するとなれば、市場の目は再び「日米金利差拡大」に向かい、年後半にドル円は緩やかに上昇。年末時点では120円付近まで上昇している可能性が高いとみている。

*尾河眞樹氏は、ソニーフィナンシャルホールディングスの執行役員兼金融市場調査部長。米系金融機関の為替ディーラーを経て、ソニーの財務部にて為替ヘッジと市場調査に従事。その後シティバンク銀行(現SMBC信託銀行)で個人金融部門の投資調査企画部長として、金融市場の調査・分析、および個人投資家向け情報提供を担当。著書に「本当にわかる為替相場」「為替がわかればビジネスが変わる」「富裕層に学ぶ外貨投資術」などがある。


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