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市場・株・為替・経済変動・景気循環

1353とはずがたり:2016/08/13(土) 09:20:47
>>1352-1353
また、これまで長い時間をかけて実績を積み上げてきた民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン氏に対する評価はここから投票日までに大きく上がりも下がりもしない可能性が高いとみているが、いいかげんな言動が多かったトランプ氏の評価には伸びしろがある。

有能なスタッフをそろえ、現実味のあるまともな政策を打ち出せば評価が様変わりするかもしれない。ただ、それでもトランプ大統領の実現はないというのがメインシナリオだ。11月まで待たずとも失言の積み重ねや9月の公開討論会などで事実上、決着がついてしまう展開を想定している。

<金融と政治が絡み合うイタリア問題>

では、イタリアの金融・政治リスクはどうか。7月29日に欧州銀行監督機構(EBA)がEUの51の銀行に対するストレステストの結果を発表したが、その直前に最も深刻な不良債権問題を抱えているとされていたイタリアの大手銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)が資本増強と不良債権の売却計画を発表し、一気に注目度が高まった。この問題が複雑なのは金融と政治が絡み合っていることだ。

EUでは2008年の金融危機の際に政府が銀行を公的資金で救済した結果、政府債務が増加することで銀行危機が政府債務危機につながる動きとなった経緯から、公的資金で銀行を救済する際にはまず投資家に負担を求める(ベイルイン)原則が導入された。

ただ、イタリアでは2015年に4つの小規模銀行が破たんした際、投資家に負担を強いた結果、劣後債などを保有していた年金生活者が自殺した経緯がある。10月にはレンツィ首相が政治生命をかけて国会の仕組み(上院の権限縮小)などに関して憲法改正を問う国民投票が予定されているなかで、政府としては投資家に負担を求めることは避けたい考えだ。

結果として政府による不良債権保証スキーム(GACS)や民間の銀行支援基金(アトランテ)などを通じた複雑な不良債権処理手法を編み出して対応することが発表されている。

不安要素は2点。この救済スキームが機能して金融システムに対する不安が後退するのかどうかと、レンツィ(民主党を中心とした連立)政権が安定的に継続することができるかだ。

救済スキームについては複雑であることや政府保証の際に時間がかかるとされること、十分な金額とならない可能性があることなどから実際にうまくいくかどうかは不透明だ。うまくいかなければ、ストレステストの下位行にいずれ不安が拡大するリスクがくすぶることになる。

国民投票で支持を得られなければレンツィ首相は辞任するとしている。レンツィ首相が辞任しても連立与党は継続するとみられ、政治的混乱は避けられる公算が大きいと思われるが、大敗するなどして連立政権に綻(ほころ)びが生まれれば解散総選挙へ進む可能性もゼロではない。

直近、反EUを掲げる五つ星運動の支持率がレンツィ首相率いる民主党を上回る結果もみられているなか、総選挙で五つ星運動が躍進すれば英国に続いてイタリアもEU離脱へ向かうのではとの懸念が強まる可能性がある。

現実的には、EUとしてもイタリアとしても金融危機の再燃や反EU政権の誕生はいずれも避けるべき事項であることから、例外的な公的資金の直接注入を含め、対応がとられることで過度のリスク回避圧力にはつながらないとみている。

このように、トランプ大統領誕生リスク、イタリアの金融・政治リスクいずれも基本的には深刻な結果になるとは考えていない。原油や中国などこれまで注目されたリスクを含め、グローバルな不確実性が一層後退すれば、テクニカル的な過熱感やポジションの偏り、ファンダメンタルズ的な格差や政策の方向性などからこれまでみられた一方的なドル安円高トレンドは徐々に転換に向かうだろう。

基本的には1ドル=100円より下はオーバーシュート領域で、ドル円は徐々に105円を超え110円方向に向かうとの予想を維持している。


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