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市場・株・為替・経済変動・景気循環

1312とはずがたり:2016/06/09(木) 08:26:12
マイナス金利なのに「日本国債が超人気」の不思議
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160519/biz/00m/010/015000c
2016年5月23日浪川攻 / 金融ジャーナリスト

 日銀のマイナス金利政策の余波が、意外な領域に及んでいる。「日本国債の人気化」である。マイナス金利の導入後、国債の利回りも一段と低下し、軒並み、マイナス圏に落ち込んだ。それにもかかわらず、日本国債を買い続ける新たな投資家層が出現しているからだ。

 外国人投資家がそれである。マーケットでの売買量ベースの概算では、前年第4四半期以降目立ち始めて、今年第1四半期には5兆円超の買い越しになったようだ。過去にはなかった事態と言っていい。しかも、この現象の背後にあるのも、なんと、「国内における邦銀の運用難」(メガバンク幹部)なのだ。

 邦銀の間では、メガバンクによるアジアなどにおける外貨建て融資や、地方銀行などによる外国債券投資が活発化している。国内における貸し出し難や有価証券への投資難を補うためだ。しかし、邦銀が外国債券への投資を行うには、ドル資金の調達が欠かせない。

 そこで、邦銀はドル調達を拡大させている。その主要手段が円貨をドルに替える「スワップ」と呼ばれる金融取引である。このスワップを巡っては、邦銀にやや不利な環境が生じている。ドルの需要が高まり、このスワップでドルを調達する際の適用金利が上がっているのだ。

外国人投資家が「おトク」な円資金を手中に

 ドル需要が高まっているのは、邦銀だけでなく新興国のドル需要増大が背景にある。さらに、米国の金利が上昇したため、米銀などドルを供給する側がドルをなかなか手放さない傾向が出ているからだ。

 邦銀によるドル調達のためのスワップの金利上昇はどの程度か。たとえば、期間5年では現在、「邦銀のスワップレートは標準レート(日米間の金利差)よりも0.9ベーシスポイント程度の上乗せとなっている」(大手証券)と言う。業界用語でわかりにくいが、ざっくり言うと、邦銀が100億円をドルに替える際、いつもより年間9000万円分、コストが増えると考えればいい。

 邦銀にとって、ドル調達はそれだけ割高になっているわけだ。それを裏返して言うと、ドルを円に交換している米銀などはその分、逆に「おトク」な円資金を仕入れていることになる。

マイナス金利の国債を買っても利益が

 そんな「おトク」な円資金を最も着実に運用する手段はやはり、日本国債だ。ところが、日本国債はマイナス利回りである。一見、手が出ないように思えるが、それは違う。スワップ取引で生じた上乗せ分があるからだ。

 邦銀が支払う上乗せコストは、逆に外銀には上乗せされた利潤である。したがって、国債のマイナス利回りよりも円資金調達の上乗せ利潤のほうが大きければ、投資の利ザヤは確保できる。その結果、外国人投資家の国債投資が継続しているのだ。

 外国人投資家による日本国債投資の拡大は一時、「日本国債の国際化」という名目で議論されたことがある。が、なかなか、実現できなかった。それがいま、起きていることになる。だが、その背後にあるのは、日本国内のマイナス金利化に伴う邦銀の資金運用難にあるというのは皮肉な構図のようにみえてくる。

 もっとも、スワップのコストが跳ね上がり、邦銀にとっては「米国債などの投資メリットが失われつつある」(メガバンク幹部)と言う。そうなると、邦銀は国内投資に回帰するのか、それとも、よりリスクの高い海外の社債などへの投資に傾斜していくのか。金融の領域から目が離せそうもない。


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