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重工業・造船・航空機スレッド

688とはずがたり:2016/03/02(水) 00:08:21
>>687-688
 さらに赤字が膨らむリスクもある。火種は、ビッグスリーで合計6兆円を超える海洋構造物の受注残。原油価格の低迷時には、発注者である石油会社などが難癖をつけて海洋構造物の工事を遅らせ、損失を押し付けることが多々ある。大型の海洋構造物は1基の受注額が1500億円などと巨額なだけに、損失の痛手も大きい。

 韓国の造船大手は、いわば手負いの獣だ。政官業が一体となって、なりふり構わず商船の安値受注を仕掛けてきたならば、日韓対決が消耗戦になることは避けられない。

 日本政府は、KDBによる大宇造船海洋への支援が世界貿易機関(WTO)ルールに抵触すると公の場で抗議し、けん制を強める。

 では日韓の「造船」最終決戦を制するのはどちらになりそうか。

 現実的には、経営体力のある日本勢に利がある。

 日本の造船大手の受注残は、18年末までの3年分と、韓国勢より多い。このため、仕事を確保するのに安値受注に走る必要がない。

 「冬の時代」を生き抜くための経験値でも日本が勝る。

 “構造不況業種”と呼ばれ続けた日本勢が乗り越えた試練は数知れない。1970年代のオイルショックによる造船不況や11年の1ドル80円を切る超円高を“身を縮めて”生き抜いた。溶接や切断を行う産業用ロボットを導入したり、工数を削減したりして生産の効率化を徹底してきたのだ。

 日本にとってのベストシナリオは、こうだ。早い段階で韓国との直接対決に勝ち、韓国が船の生産を抑制する。中国でも中央政府主導の整理統合が進み、「世界の供給能力は新造船需要の2倍近い」(造船業界関係者)とされる供給過剰が解消されてゆく──。

● 侮れない韓国勢 新規制対応船で得る 先駆者メリット

 もっとも、日本勢にも油断は許されない。韓国の造船業界が健全化へ向かうシナリオも考えられるからだ。実際に、ある造船関係者は、「業界再編の機運が高まっている。ビッグスリーがビッグツーになれば、合理化により韓国勢の競争力が増す」と言い切る。

 韓国における造船業界は花形産業だ。優秀な技術者が集まっており、技術レベルの高さは侮れない。

 実は、韓国勢は、日本勢に先行してNOx規制強化などの新ルールに対応した船を開発し、受注し始めている。仮に、韓国勢が評価されて市場に受け入れられたならば、後発組の日本勢は苦しくなる。

 日本にとっては、為替動向も頭痛の種。年明けから円高・ウォン安が進んだことで、日韓の価格競争力の差が急速に縮まっている。造船会社幹部によれば、「耐え得る円の水準は、造船大手の重工メーカーで1ドル110円、コスト競争力が高い造船専業の大手でも同100円超」だという。限界点がジリジリと迫っている。

 政官業一体で挑んでくる韓国に日本が勝つためには、民間企業が結束する必要がある。

 何といっても、日本勢の強みは国内に海運会社や船のオーナーといった船の発注者がいること。造船や海運などの海事関連産業が集積した「海事クラスター」の強みを生かさない手はない。

 にもかかわらず、これまで、日本の造船会社は大型コンテナ船などの国内需要に対応できず、韓国勢に受注を奪われていた。こうした機会損失をなくすため、今治造船やジャパンマリンユナイテッド(JMU)は船を建造するドックを拡張するなどして、造れる船の種類とサイズを増やしてきた。

 旧態依然とした商習慣も変える必要があるだろう。例えば、国内金融機関による船の発注者への融資の多くは、建造する船に長期の借り手が決まっていることを要件としてきた。また、発注者が船価の約2割を頭金として最初に支払う慣行も現存している。

 商習慣の硬直性は、海運会社やその発注を請け負う造船会社の足かせとなってきた。発注者が倒れれば造船会社も倒れ、日本の海事クラスターが崩壊しかねない。海事クラスターが一体となった生き残り策が急務となっている。

週刊ダイヤモンド編集部


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