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重工業・造船・航空機スレッド

646とはずがたり:2015/12/02(水) 16:09:54
>>645-646

 森本社長は「10月に飛ばす」と明言していたが、10月19〜23日に予定していた初飛行は延期。11月になって、ようやく初飛行にこぎつけた。次の重要なステップは、17年4〜6月に全日空に初号機を納入することである。

 これまでに全日空、トランス・ステイツ航空、スカイウエスト航空、イースタン航空、マンダレー航空、日本航空の6社から407機(確定223機)を受注しているが、昨年8月を最後に新たな受注はゼロ。欧州からは1機の受注もない。目標の1000機の受注にはほど遠い。今後20年間の需要予測(5000機)の半分のシェアを取ると目論んでいるが、はたしてうまくいくのか。初飛行の延期がこれまで5回もあり、航空会社が購入に慎重になっていることを示している。国内のエアラインの内訳は、全日空からは25機、日本航空は32機となっている。

 初号機の納入が再び延びるようなことがあれば、営業活動に支障が出る。三菱航空機はMRJの開発スケジュールが遅延したため、資金を食い潰してきた。15年3月期の決算公告によれば、当期純損失は177億円。資本金500億円、資本剰余金500億円に対して、利益剰余金は693億円の赤字となっている。売り上げが立つようにならなければ、資本金、資本剰余金は早晩、底をつく。債務超過への転落を避けるには、新たな増資が必要になろう。

●ウイークポイント

 航空機、なかでも旅客機は成長産業だ。新興国を中心に輸送人員の増加が続くうえ、現存機(約2万機)の更新も必要になるからだ。今後20年間の新規需要は3万機以上、金額で50兆円規模になると推定されている。

 市場を二分するのは、米ボーイングと欧州エアバスだ。日本航空機開発協会の統計によると、14年のジェット機の受注機数はエアバスが1796機、ボーイングは1550機。納入機数はエアバスが629機、ボーイングが723機となっている。受注、納入ともに両社は過去最高を記録。いずれも8〜9年分に相当する5000機以上の受注残を抱えている。

 地域路線向けの小型ジェット旅客機(100席未満)は今後20年間で5000機が必要になると、三菱航空機は予想している。小型ジェットはブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアが勢力を二分している。14年の実績はエンブラエルの受注機数143機、納入機数92機。対するボンバルディアは受注機数108機、納入機数59機だ。ここにロシアの戦闘機メーカー、スホーイが新規参入し、中国のCOMAC(中国商用飛機)も小型旅客機の開発を進めている。

 MRJは、これら先行する各社を追う立場だ。回転効率を上げた最新鋭の米プラット&ホイットニー社製のエンジンを採用することで、競合機に比べて燃費性能が20%以上向上した。排気ガスや騒音も極力抑えた。経済性の高さを武器に、安い運賃を提供できるところがセールスポイントだった。ところが、ブラジルのエンブラエルもプラット&ホイットニーのエンジンを採用することを決め、MRJに優位性がなくなった。

 MRJのウイークポイントは、実績ゼロという点だ。今年6月のパリ航空ショーでは1機も受注できなかった。もし、ANAへの納入が間に合わなければ、新規受注は絶望的だ。それだけではない。すでに購入の意向を示しているエアラインから、キャンセルを受けることにもなりかねない。

 初号機納入までの1年半が、MRJが“離陸”できるかどうかの正念場になる。
(文=編集部)


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