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国際政治・世界事情

945チバQ:2009/10/17(土) 21:36:02
 ◆国王訪問でくさび

 サウジは、6月の大統領選挙後のイランについて、多くの国民の支持を失ったものの、一段と強硬な姿勢に転じたとみている。イランは自国を中東地域の超大国と位置づけ、イスラエルとの闘争を主導しようと、レバノンのイスラム教シーア派組織、ヒズボラに資金と武器を提供している。また、シリアと長期にわたる同盟関係を保持し、サダム・フセイン政権崩壊後のイラクに積極的な働きかけを行っている。

 サウジには、イランが中東地域のシーア派社会を扇動しようとしているのではないかとの懸念がある。イスラム教スンニ派が85%を占めるサウジにも、体制に不満を持つシーア派が約200万人もいるからだ。

 サウジは、イランとその友好国との関係にくさびを打とうとイランの敵対勢力に肩入れしてきた。たとえば、レバノン国内ではイランが反欧米・親イラン・親シリアの野党連合「3月8日連合」を支援しているのに対抗し、サウジは「3月14日連合」を支援している。

 また、サウジはイラン−シリア関係の分断を目指してきた。シリアはイランとともに、パレスチナのイスラム原理主義組織、ハマスやレバノンのヒズボラを後押ししている。アブドラ国王のシリア初訪問で、今後、サウジとシリアの関係は改善に向かうだろう。

 サウジにとって、イランがイラクに及ぼす影響も無視できない。サウジは、米ブッシュ政権によるイラク侵攻がこの問題を引き起こしたと受け止めており、政権交代を果たした米国が今こそ問題を解決すべきだと考えている。アブドラ国王は、イラクのマリキ首相と相性が悪いといわれ、その他のイラクのシーア派指導者とイランの関係にも不信感を抱いている。

 ◆イラク不安定化警戒

 イラクは来年1月に総選挙を予定しているが、サウジはイラクに強力なシーア派政権が誕生してイランと提携し、ペルシャ湾岸のバーレーンのシーア派社会を刺激するかもしれないと危惧(きぐ)している。サウジの穏健派シーア派指導者は、サウジの政権との協力を欲しているが、サウジのシーア派の中には暴力と分離独立を主張する者さえいる。

 サウジは、イラクのスンニ派指導者と接触し、イラクの次期政権でスンニ派勢力が大きな地位を占めることを期待する半面、イラクの不安定化を警戒。イラクに強力なシーア派政府ができれば、イランの影響力が最も強いイラク南部との国境警備を強化し、イラクを封じ込め孤立させたい考えだ。

                   ◇

 ≪結論≫

 サウジは近隣諸国、なかでもイランとの関係で厄介な時期にあり、西側の防衛保障、中東地域やその他の友好国、自国の豊富な財源をうまく利用して、この難局を切り抜けなければならない。サウジには受け身の戦略ではなく、積極的なアプローチが求められているものの、その必要性を理解し、経済力など利用できる手段を効果的に活用するには至っていないようだ。


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