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国際政治・世界事情
888
:
チバQ
:2009/09/22(火) 23:38:34
>>873-874
http://www.asahi.com/international/update/0922/TKY200909220002.html
ドイツ 「東西」格差、総選挙を直撃 勢い増す左派政党(1/3ページ)
2009年9月22日9時14分
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ドイツ総選挙(27日投開票)で、旧東ドイツ地域の票の行方が焦点になっている。東西の経済、社会格差が埋まらないなかで、東独出身の有権者は、キリスト教民主・社会同盟(同盟)、社会民主党(SPD)の2大政党に見切りをつけ、より明確に弱者保護を打ち出す旧東独系の左派党に「回帰」しつつあるからだ。19年をへてなお、東西統一がまだ道半ばであることが浮き彫りになっている。
「私の故郷はここからそう遠くありません。皆さんのために仕事を増やし、社会保障を充実させます」
19日、旧東独のフィンスターバルデで開かれたメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の集会。旧東独出身のメルケル氏が自信ありげに演説するのを聴いていたハイドルン・エルスナーさん(47)は、叫ばずにいられなかった。「メルケルのうそつき!」
10年前、食品会社を解雇されてから仕事がない。やはり失業中の夫(48)と合わせて月約700ユーロ(約9万5千円)の失業給付が命綱だ。何とか食べてはいけるが、好きなオペラを楽しむ余裕はない。娘を音楽学校に通わせる夢もあきらめた。その娘の勤め先も倒産。夫がようやく見つけたアスパラガス栽培のアルバイトは時給わずか1.95ユーロ(約264円)だ。エルスナーさんは「旧東独で乳搾りの仕事をしていたころは、何の心配もいらなかった……」と漏らした。
20年前、東西の壁は取り払われたが、経済格差は今も残る。旧東独の8月の失業率は12.8%。旧西独の7.1%の2倍近い。フィンスターバルデでは17.2%に達した。
SPDを中心としたシュレーダー前政権は、失業者給付と生活保護を一本化して実質削減し、現在の大連立政権もこれを引き継いだ。「弱者」の痛みは強まっている。
東部ライプチヒ。ベルリンの壁崩壊のきっかけとなった「月曜デモ」が起きた地には、職業安定所の前に長い列ができていた。
4年近く職安通いを続けるクリステル・ドンベアートさん(51)は10年前に離婚。清掃の仕事をしながら3人の子育てを終えた矢先、職を失った。現政権に期待して4年間待ったが「弱者政策はいつも後回し」と憤る。
職業安定所のシュライヒャー報道官は「統合後、10万人の職が消えた。その後遺症が癒えるにはまだ時間がかかる」と話す。
◇
東西統一後、旧東独地域では、自由へのあこがれと経済繁栄への期待から、当時の政権党で自由主義市場経済を旗印にするCDUへの支持が一気に広がった。しかしその期待は失望に変わり、人びとは旧東独政権党の流れをくむ左派党へと「逆流」し始めた。
左派党は最近、ヘッセン州などの州議会で統一後初めて議席を獲得。8月末にあった3州議会選挙でも躍進した。総選挙に向けた各種世論調査でも常に10%以上の支持率を獲得している。
人口約8200万人のドイツで、旧東独地域の人口は約1300万人。現在の大連立政権を担う同盟とSPDの2大政党は旧東独票に神経をとがらせている。特にSPDは前回選挙では、旧東独6州で軒並み10ポイント近く得票率を下げた。シュレーダー前政権の政策が不興を買ったためだ。その後も大連立内での「右傾化」が指摘され、旧西独地域の従来の支持者も左派党に乗り換え始めている。
東独出身でSPD所属のティーフェンゼー運輸・建設相は今年4月、雑誌のインタビューで「東独が総選挙を決する」「選挙公約も東独に特化したテーマを提供しなければならない。東独では特別な選挙戦を繰り広げなくてはならない」と危機感をあらわにした。こうした状況を受け、SPDは選挙公約に「社会的統一を完了させる」という大項目を設け、東西賃金格差の解消や最低賃金制度の導入などの政策を挙げている。
東独出身のメルケル首相を看板に持つCDUも、旧東独票の流出に焦っている。CDUも選挙公約で「旧東独経済の強化」や同地域への「助成金延長」を強調。昨年12月の党大会では「東独に関する展望」と題した約30ページにわたる東独政策を決議した。
ただ両党ともに、旧東独対策を強調し過ぎると旧西独地域で従来の支持者から反感を買う危険があり、難しい対応を迫られている。(ベルリン=玉川透、金井和之)
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