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国際政治・世界事情
7841
:
チバQ
:2014/04/15(火) 21:34:18
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140415/asi14041513190002-n1.htm
【日々是世界】
インド総選挙、関心は「次期首相」モディ氏の「対立を糧に台頭した」手法
2014.4.15 13:19 (1/3ページ)
インド西部グジャラート州で、支持者の歓呼に応えるインド人民党(BJP)のナレンドラ・モディ首相候補(中央)。8億人以上の有権者が審判を下す「世界最大の民主選挙」の話題の主として、インド内外の関心を集めている=9日(AP)
インドの総選挙が4月7日から始まった。投票は5月12日まで続き、16日に開票される。汚職・腐敗に有効な手を打てず、経済低迷を打開できずにいるシン政権と最大与党の国民会議派に厳しい審判が下される見通しで、各種世論調査は最大野党のインド人民党(BJP)が10年ぶりに政権を奪還すると予測。国内外の関心は早くも次期首相就任が確実視されるBJPのナレンドラ・モディ・グジャラート州首相(63)に集中している。
州首相として高成長実現
2001年から西部グジャラート州の首相を務めるモディ氏は、インフラ整備や外資受け入れなどによって州の経済成長を実現したことで知られる。4月8日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は社説で、「モディ氏が大差でリードしている理由が、タフで現実的で汚職と無縁の経済管理にあるのは明らかだ」と言い切る。4月5日号の英誌エコノミストの論評も、モディ氏を「かつては茶の売り子として働き、純然たる才能でのし上がった人物」「州首相としての実績は、経済発展に取り組んで実現できることを証明している」などと評価する。
その一方で、ワシントン・ポスト紙もエコノミスト誌も警戒感をあらわにする。それは、グジャラート州で02年、1000人以上が犠牲になったヒンズー教徒とイスラム教徒の大規模衝突へのモディ氏の対応に疑問があるからだ。衝突のきっかけはこの年の2月、イスラム過激派による列車放火で50人以上のヒンズー教徒が死亡した事件だった。ヒンズー教徒が報復としてイスラム教徒の居住区などを襲撃して多数の人々を殺害。さらにイスラム教徒もヒンズー教徒を攻撃するなど、報復の連鎖となった。
「宗教対立を糧に台頭」
当時の州首相がモディ氏だったのだ。ヒンズー至上主義団体のRSS(民族義勇団)メンバーで反イスラム的言動でも知られるモディ氏は、イスラム教徒襲撃を黙認したとして批判されている。法的責任は問われていないが、エコノミスト誌は「モディ氏は事件に関する疑問に答えることを拒んでいる」とした上で、反イスラム教的な空気をあおって支持を固めているとし、「対立を糧に台頭した人物だ」と評した。
ワシントン・ポスト紙の社説は、「インドの政治文化にはこうした過激主義をはね返して抵抗する力がある」として、モディ氏が宗派対立ではなく経済成長に力点を置くことに期待を示して社説を締めくくっている。対するエコノミスト誌は「これまでの実績をみる限り、モディ氏はまだ宗教間の憎悪と縁が切れていない。インドにはより良い首相がふさわしい」と最後まで厳しく迫っている。
警戒するパキスタン
インドの隣国パキスタンの英字紙エクスプレス・トリビューンも4月7日付社説で、02年の宗教対立へのモディ氏の関与から、国内に広がるモディ氏への警戒感に言及した。折しも、パキスタンの現首相は、1999年に信頼醸成措置の構築やカシミール問題の解決などを目指す「ラホール宣言」に署名したナワズ・シャリフ氏(64)。現在も両国関係の改善に意欲を見せている。モディ氏もパキスタンと経済関係の強化を全面に出してくる可能性がある。
しかし、エクスプレス・トリビューンはモディ氏からアプローチがあっても、シャリフ氏は「インドに慎重な支持層からのすさまじい圧力にさらされることになるだろう」として、シャリフ氏が応じるのは容易でないとみる。両首脳が両国で強まるポピュリズムに影響される可能性もあるなか、エクスプレス・トリビューンは、人々のむき出しの感情より、「慎重な外交と健全な判断」を優先させるべきだと両国に呼びかけている。(国際アナリスト EX)
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