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国際政治・世界事情

7802とはずがたり:2014/04/08(火) 14:32:46

 ポステムスカさんは、ロシアとの結びつきが強く、第二のクリミアになる危険性すら囁かれるウクライナ東部に関しては、ウクライナで最初に安定を取り戻す場所になるだろうという考えを示す。

 「東部に関しては、安定を維持するための自助努力が他地域よりも積極的に思えます。というのも、ウクライナのオルガリヒ(新興財閥)はみな東部に拠点を置いており、この地域が安定しなければ支配階級にとっても不利益になるからです。私は最初に安定を取り戻すのが東部だと確信しています」

 前回のレポートでキエフの様子を細かく説明してくれたテトヤナ・オルレックさんがロシア系住民の定義の難しさについて語ってくれた。自身もウクライナ語とロシア語の両方を話すオルレックさんは、ウクライナが異なる文化を抱える国であることを認めながらも、政争に都合よく利用されてきたことが大きな問題であると指摘する。

「国外の報道でロシア系住民という言葉をよく耳にしますが、彼らはロシア人ではなく、ウクライナ人なのです。私も含めて、ウクライナにはウクライナ語とロシア語のバイリンガルは少なくありません。祖先がロシア出身で、ウクライナ人と結婚して、どちらのアイデンティティも持つ人だっています。ロシアにルーツがあっても、多くの場合、ウクライナに住む人の間で大きな問題が発生する事はあまりありませんでした。

 政治家が選挙活動をする際に、汚職やインフラの不整備などに対する有権者の怒りの矛先をそらす目的で民族問題を前面に押し出すことが頻繁にあり、そういったレトリックの積み重ねがヤヌコヴィッチ政権崩壊のタイミングで爆発したのだと思います。非常に危険な傾向です。

 レトリックと言えば、ロシア系住民の明確な線引きができないなかで、ロシアが彼らの保護を名目に軍事行動の可能性を示唆するのは、ナチスがかつてオーストリアやチェコに侵攻した際の大義名分と同じものです。つまり、ロシアがいつでも軍事侵攻を正当化できるということです」

 オバマ政権で過去に国務長官を務め、現在は2016年の大統領選挙への出馬が確実視されているヒラリー・クリントン氏は4日、カリフォルニア州で行われた資金集めパーティーの席で「プーチン大統領はまるでヒトラーのようだ」と発言。弱腰外交と揶揄されるオバマ大統領との違いを強調するための発言であったとも一部では伝えられているが、クリントン氏は翌日に「プーチン氏は決してヒトラーのような人物ではなく、ヒトラーと似たような行動をとっていると言いたかった。過去の教訓から学ぶ事はあるはずだ」と釈明し、発言内容をトーンダウンさせている。

ロシアと真っ向から対立するのを
避けたい欧州のホンネ

 ヨーロッパ諸国が一枚岩になれず、ロシアの行動に迅速に対応できない理由はいくつか存在する。ウクライナとEU諸国との距離が近く、100万人を超える兵力を誇るロシアと仮に軍事衝突が発生し、それが近隣諸国にまで拡大した場合、EUやNATOでどこまで問題に対処できるのかは未知数だ。

NATOにしても、現実を直視すれば、アフガニスタンやコソボのように本国からかなり離れた場所で過去に展開した軍事作戦とは様相が大きく異なるのは一目瞭然だ。ポーランドとウクライナの国境にNATO軍部隊を集結させ、ロシアに圧力をかけるべきとの意見もあるが、それが限界ではないだろうか?

 ヨーロッパ諸国にとって軍事力の脅威と共に頭の痛い問題となっているのが、ロシアから西ヨーロッパ各国に輸出される石油や天然ガスの存在だ。サウジアラビアに次いで世界第2位の石油輸出国であるロシアは、パイプラインを通じて石油や天然ガスをヨーロッパ各国に輸出している。

 EUで実質的な主導権を握るドイツは石油輸入全体の約28パーセントを、天然ガス輸入にいたっては全体の約38パーセントをそれぞれロシアから輸入しており、国内のエネルギー事情はロシア抜きには語れない。また、フランスやイタリアも輸入天然ガスの3割近くをロシアに依存しており、天然資源という大きな武器をロシアに握られている状態だ。


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