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国際政治・世界事情
7801
:
とはずがたり
:2014/04/08(火) 14:32:29
主舞台をクリミア半島へ移したウクライナ情勢
ロシアvs欧米の対立の背景と、市民が語る国家の内情
――ジャーナリスト・仲野博文
http://diamond.jp/articles/-/49798
ウクライナ情勢が緊迫している。首都キエフの独立広場周辺で3ヵ月にわたって繰り広げられた反政府デモによってヤヌコヴィッチ政権は崩壊。多くのキエフ市民が歓喜したが、間もなくして政権交代に正当性がないと主張するロシアが、ウクライナ国内のロシア系住民の保護を名目に軍事行動の可能性を示唆。ウクライナ南部のクリミア半島ではすでにロシア軍部隊とみられる武装集団が要所を掌握しており、今後のロシアの動きに注目が集まっている。加えて、ウクライナ東部でも親ロシア派と反ロシア派の住民との間で衝突が発生しており、ウクライナの政情不安は全国に飛び火している。今後、ウクライナ情勢はどうなるのだろうか?
ウクライナ騒乱、今日までの経緯を振り返る
クリミア半島を巡るロシアと欧米の対立はエスカレート
2月25日のDOL特別レポートでは、キエフの独立広場を中心に展開された「ユーロマイダン」と呼ばれる反政府デモの様子を、デモに実際に参加したキエフ市民らの声を紹介する形で伝えた。また、歴史的にロシアとの繋がりが強く、黒海艦隊の拠点としてロシアにとって戦略上手放すことのできないクリミア半島の重要性についても紹介。すでに2月20日の段階で、ロシア軍高官が英紙フィナンシャル・タイムズの取材に対し「クリミアを巡る状況次第では戦争も辞さない」とコメントし、2008年のロシア軍によるグルジア侵攻と同様の措置が取られる可能性を示唆していた。
クリミア半島を巡るウクライナとロシアの駆け引きはヤヌコヴィッチ政権崩壊直後から頻繁に見られるようになった。先月24日には発足したばかりの暫定政権の内務大臣が、「ロシア軍部隊がクリミアに侵入し、何らかの活動を行った後、ロシアに戻った模様だ」とマスコミに語り、26日にはロシアのプーチン大統領がロシア軍部隊に対して軍事演習の実施を命令した。
同じ頃、クリミア半島にある主要都市の1つでもあるシンフェロポリでは各地から義勇兵志願者が集まるようになり、市内で「ウクライナによる侵攻には徹底抗戦する」とシュプレヒコールをあげた。前回のレポートでも紹介したが、1991年のソ連崩壊後にウクライナの領土であるクリミア半島ではロシア系住民による独立運動が広がりを見せたものの、最終的に主権をウクライナが握った形でクリミア自治共和国が誕生している。
やがてクリミア半島にあるセヴァストポリやシンフェロポリの主要な施設が地元の民兵やロシア軍部隊とみられる武装集団に占拠された。クリミアに駐屯するウクライナ軍部隊に対して武装解除を求める最後通告が出され、4日にもロシア軍部隊が本格的にウクライナに侵攻する可能性も取りざたされた。
しかしプーチン大統領は同日記者会見を行い、「クリミア自治共和国内でロシア軍を使う必要はない」と語り、ロシア軍の軍事介入を否定した。大規模な軍事衝突は回避できたようにも思えるが、プーチン大統領は将来的な軍事行動の可能性はゼロではないと強調しており、武装集団は現在もクリミア半島を事実上掌握している。クリミア自治共和国の議会は6日、ロシア連邦への編入を決定。16日に住民投票を行い、結果次第でロシア側に編入の意思を伝える見通しだ。
市民が語るウクライナの現在
日常生活は徐々に回復
緊張が続くクリミア半島以外の地域は現在どうなっているのか?ヤヌコヴィッチ政権崩壊後の2月28日、キエフ在住のイローナ・ポステムスカさんは市民生活が徐々に回復し始めたと語ってくれた。
「キエフでの生活は徐々に通常モードに戻りつつあります。デモ隊と治安部隊が衝突を繰り返した独立広場周辺はまだまだ革命後のような雰囲気ですが、郊外に足を運ぶと、まるで政変があったことすら忘れてしまうくらい、以前と何も変わっていません」
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