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国際政治・世界事情
7765
:
とはずがたり
:2014/04/05(土) 15:49:01
>ウクライナの首都キエフで反ロシアの新政権が成立し、ロシアを罵るばかりか、彼らは昔からロシアの勢力圏だったウクライナの東部と南部、さらにクリミアで、ロシア語の使用を禁じるとまで言い出した。これはつまり「ロシア語をしゃべる公務員はみんなクビにして、西ウクライナから新しく人を連れてくる」ということであり、これがロシア国民のナショナリズムを刺激した。
>経済制裁が実施され、ロシアからの天然ガス供給が止まると、最も困るのがドイツとイタリアなのです。フランスには原発があるし、イギリスは、意外と注目されていませんが、北海油田をノルウェーと共同開発しているから、ロシアからのエネルギー供給が止まっても大打撃にはならない。ドイツとイタリアといえば、第二次世界大戦の枢軸国です。戦後の秩序は、枢軸国がエネルギー面で自立できないような仕組みになっている。
>プーチンが強硬な姿勢を崩さない理由の一つとして、プーチン政権の「宮廷化」が考えられます。
2014年04年04日週刊現代
佐藤優のインテリジェンス・レポート
プーチンは「世界のルール」を変えるつもりだ
ロシアの強硬姿勢で、ついに武力衝突が勃発!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38845
戦後65年以上、危ういバランスの上に築かれてきた国際秩序。それを破ったのは、やはりこの男だった。武力で領土を勝ち取る「帝国主義」の時代―ここから先、今までの常識はもう通用しない。
世界史に残る大事件だ
プーチン大統領が、3月18日にクリミア半島の併合にあたって行った演説は、驚くべき内容でした。ロシアは自国の力を過大評価している。それどころか、一方的に国際秩序を変えられる、そう信じているとしか思えません。
そのことは、アメリカに対する挑発的な言辞にはっきりと表れています。プーチンは「アメリカ人よ、あなたがたはアメリカ建国の時、民族自決権にもとづいて独立を宣言したのではないか」「同じことをクリミア人が言うと、文句をつけるのか」、さらには「東西ドイツの統一のときも、アメリカは民族統合を認めたではないか」と述べている。
つまり、「クリミアで行った住民投票は、お前たちアメリカ人と同じ民主主義という価値観に拠って立つものだ。どこが悪いのか」というわけです。非常に挑発的であり、また一言で言えば、露骨に帝国主義的な発想です。
現在の状況は、ちょうど100年前、第一次世界大戦直前の1914年によく似ている。ハンドリングを誤ると、戦争になりかねません。
もし今後、クリミアだけでなく、東ウクライナや南ウクライナに住むロシア系住民までがロシアへの帰属を望んで、クリミアと同様、ロシア編入の是非を問う住民投票を行うことになったとします。そうなれば、やはり「自警団」を組織して周辺地域の安全を担保するということになるでしょうが、その「自警団」の正体はロシアから送られてくる軍隊です。ウクライナ正規軍との衝突が起こり、内戦に繋がる可能性がある。
プーチンが演説を行った日の夜には、クリミア自治共和国の首都シンフェロポリで銃撃戦が起こり、ウクライナ軍に死者が1名出ました。おそらく、興奮のあまり発砲した兵士がいたのでしょう。非常時には、最前線で先走る兵士が必ず出てくる。そのような不測の事態を発端に、大きな戦争は始まるものです。
ただし現在のところ、アメリカがウクライナ新政権の後ろ盾となる保証はありませんから、衝突が起きれば新政権側が一方的に負けるだけです。悪くすると、今度は東ウクライナにも親ロシア政権が生まれるかもしれない。ウクライナの軍隊は弱小なので、アメリカがバックに付いて、絶対に勝てる状況になるまでは戦闘を避けるほかないでしょう。ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)に加盟し、NATO軍が出てくる可能性もまずない。今のEU諸国に、第三次世界大戦を戦う腹はありません。
今回のクリミア併合は、戦後初めて、大国が国際法に合致しないかたちで一方的に領土を拡大したという、世界史的に見ても大きな事件です。一連のウクライナでの動乱は、冷戦のようなイデオロギーの対立ではなく領土をめぐる帝国主義的対立であり、間違いなく米ロ関係は落ち込むところまで落ち込むでしょう。
しかし今後、アメリカがロシアに対してどこまで強く出られるかについては未知数です。経済制裁を強化するだけでなく、ロシアへの情報・技術流出も防ごうとするでしょうが、限界がある。アメリカ国内にはロシア系住民がたくさんいますし、北朝鮮のような国だったらともかく、これだけグローバリゼーションが進んだ世界で完全な経済封鎖など不可能です。
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