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国際政治・世界事情
7380
:
チバQ
:2014/02/11(火) 20:55:37
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/140211/cpd1402110503002-n1.htm
印総選挙、第三極台頭で混迷 「不安定な連立」再来の恐れ (1/3ページ)2014.2.11 05:00
インドでは、5月末までに総選挙が予定されているなかで、政治の先行きが一層、混沌(こんとん)としてきた。これまで汚職などへの反発から政権与党の国民会議派が強い逆風にさらされ、最大野党のインド人民党(BJP)が支持を伸ばしてきた。しかし、ここにきて結党1年余りの庶民党が第三極として台頭、BJPの支持者を奪う形で党勢を拡大させているためだ。選挙の結果、不安定な連立政権が成立することになれば、必要な改革の実行が遠のく恐れがある。
インド最大の面積を持つ西部ラジャスタン州。昨年12月に行われた地方選挙ではBJPが勝利し、国政での政権奪還の試金石とみられていた選挙の一つを制した。州都ジャイプール在住の彫刻家、オム・プラカシュさん(35)は勝利を祝った支持者数千人の一人。だが、それからわずか数週間後、このときの地方選挙では候補者を擁立しなかった庶民党へと、支持政党を変えた。
「これまでの選挙は国民会議派かBJPかの二者択一で、とても選択と呼べるものではなかった。BJPは好きだが、この新しい政党にチャンスを与えるべきだ。汚職の撲滅に取り組めば、国中を席巻する勢力になると思う」と説明する。
◆改革実行困難に
庶民党は元税務調査官のアルビンド・ケジリワル氏が2012年末に設立した。ラジャスタン州などと同時に実施されたデリー首都圏の地方選では、汚職スキャンダルや物価高騰、公共インフラの惨状に対する世論の怒りをすくい上げ、40%の議席を獲得。国民会議派から第一党の座を奪い取ったBJPに次ぐ第二党に躍進した。総選挙が近づくなか、支持者は日々増えている。
世論調査ではBJPが国民会議派に対して優勢だが、BJPや同党指導者のナレンドラ・モディ氏への支持者の一部を奪い取る形で庶民党が勢力を伸ばしており、インド政治の混迷に拍車をかける構図となっている。
インドでは今年の成長率が2年連続で10年ぶりの低水準にとどまると予想される一方、インフレ率はアジア最速のペースで上昇。こうしたなか、不安定な政権が成立することになれば、国の格付けの引き下げ回避に必要な政策改革が一段と難しくなる。
◆最大野党と競合
トーラス・アセット・マネジメントのR・K・グプタ氏は「庶民党がうまくやればBJPの支持基盤に影響が出るのは間違いない。これはモディ氏を支持する投資家にとって大いに憂慮すべき事態だ。選挙が接戦になれば議席の小さな変動でさえ次期政権の担い手を劇的に変える可能性がある」と指摘する。
世論調査によると、今回の連邦下院選挙(定数545)ではBJPの獲得議席が国民会議派を上回るものの、両党とも単独過半数には届かない見通しだ。現在も両党の議席数は合わせて58%にとどまり、残りはほぼ地方政党が占めている。
勝者がはっきりしない結果に終わった場合、3年で3回の総選挙につながった1990年代のような不安定な連立政権の時代が再来する恐れがある。
モディ氏に関する著作を昨年出版した作家のニランジャン・ムコパッダエ氏は、デリー首都圏や北部のハリヤナ、ウッタルプラデシュ両州といった激戦地で庶民党が最大20議席を獲得すれば、BJPが政権に就く可能性は低くなると予想する。両党はいずれも都市の中産階級が支持基盤であるため、直接競合する関係にあるからだ。
一方、国民会議派と庶民党は理念的に比較的近い。庶民党はデリー首都圏の地方選のキャンペーンでは国民会議派への批判を展開したが、公約として訴えた水道の無料化や電気代の大幅な引き下げは、国民会議派が推進しているようなポピュリズム政策だ。実際、同首都圏では庶民党が国民会議派の協力を得て政権を発足させている。
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