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国際政治・世界事情
7012
:
名無しさん
:2013/10/21(月) 23:17:18
http://mainichi.jp/select/news/20131021ddm007030139000c.html
シリア国民連合:発足1年 暫定統治、見通せず アルカイダ系と対立
毎日新聞 2013年10月21日 東京朝刊
【カイロ秋山信一】シリア反体制派の主要組織「シリア国民連合」が11月に発足から1年を迎える。欧米や日本から「シリアの唯一正統な代表」と承認されているが、化学兵器を巡る国際協議では蚊帳の外に置かれた。組織力を証明するため、反体制派支配地域で暫定統治を始める計画だが、国際テロ組織アルカイダとの対立もあり、実現の見通しは立たない。反体制派内部でも「アサド政権後」の受け皿になれるか疑問視する声が出ている。
「アルカイダ系組織を統制するのは可能だ。暫定政府は市民の生命や財産を守る」。在カイロの国民連合幹部、カセム・ハティブ氏は毎日新聞の取材に、暫定統治開始に自信を見せた。国民連合は9月14日、東部デリゾール出身の歯科医、アハマド・トーメ氏を暫定首相に選出。閣僚を選出し、北部や東部の反体制派支配地域で暫定統治を始める意向だ。
しかし、トーメ氏の政治手腕は未知数だ。3月に選出された前任の暫定首相は閣僚を決められないまま辞任に追い込まれている。また、反体制派支配地域では7月以降、国民連合傘下の自由シリア軍とアルカイダ系強硬派組織「イラク・レバント・イスラム国」との交戦が各地で起きている。自由シリア軍幹部のアブ・ハムザ氏は「アルカイダの影響力は誇張されて伝えられている。治安は掌握できる」と主張するが、トルコ国境の北部アジズでは9月中旬以降、断続的に戦闘が続いている。
国民連合は政教分離を志向する。一方、アルカイダ系はイスラム教に基づく新国家建設を目指しており、統治のあり方を巡って双方の対立がさらに激化する可能性もある。
米欧との関係もぎくしゃくしている。米仏は政権側が化学兵器を使用したとして軍事攻撃する構えを見せ、国民連合も期待感を示した。だが、米露合意で米欧は攻撃を撤回。「政権に逃げ道を与えるだけだ」との国民連合の非難は無視された。
一方、米欧側にも国民連合への不信感は根強い。自由シリア軍は各地域に独立した部隊が存在し、指揮系統が一本化されていない。国民連合傘下の自由シリア軍とアルカイダ系組織は地域によって共闘したり、戦火を交えたりしている。9月下旬には自由シリア軍の一部が部隊を離れ、アルカイダ系組織と連携すると表明した。国民連合は高性能な兵器の提供を求めるが、アルカイダへの流出を懸念する米欧は慎重だ。
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■ことば
◇シリアの反体制派組織
2012年11月に発足した「シリア国民連合」が主要組織とされ、米欧などの支援を受けている。組織内に設置された「最高軍事評議会」が自由シリア軍などの武装組織を統轄し、アサド政権と戦闘を続ける。一方、ヌスラ戦線やイラク・レバント・イスラム国など国際テロ組織アルカイダ系のグループや、少数民族クルド人の武装組織なども独自に政権側と衝突。反体制派内部でも異なる武装勢力同士で戦闘が発生している。
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