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国際政治・世界事情

6942チバQ:2013/09/29(日) 20:55:16
自治権拡大が望み


 ただし、TNAが求めているのは独立ではなく、自治権拡大と連邦制だ。憲法にうたわれている警察や土地開発の州政府への権限委譲の履行を重視する。北部州の警察官の大半はシンハラ人で、タミル人住民からは「言葉が通じず、とりあってくれない」との不満が強い。TNAは「治安維持をタミル人の手で」と主張している。

 また、内戦の舞台となった北部州には軍の大規模基地があり、兵士15万人が配置されている。国内避難民は10万人以上に達し、土地を軍に奪われた多くのタミル人が政府に補償を求めている。内戦中には、軍人が多くの女性に暴行したり殺害したりしたといわれる。

 州議会選で、TNAの州首相候補として当選したウィグネスワラン元最高裁判事は「軍は土地や女性に手を出した。まずやるべきことは、軍を出てゆかせることだ」と語った。

 もっとも、政府は北部州のために何もしなかったわけではない。中国とインドの支援で幹線道路と鉄道が整備され、昨年の北部州の域内総生産(GDP)成長率は前年比22%も伸びた。逮捕したLTTEの元メンバーのうち約1万2千人に社会復帰教育を施し、釈放したと発表している。

 

「生活は悪化一途」


 しかし、こうした政策にもタミル人の不満の種がくすぶる。あるビジネスマンは、「タミル人はこじきではない。求めているのは支援による経済開発より、開発の能力を高める教育や制度だ。政府はタミル人に経済力を持たせないようにしている」と話す。

 終戦後に逮捕され、社会復帰教育を受けて釈放された30代の元LTTEメンバーの男性も、「職業訓練を受けて仕事を約束されたが、給料は払われなかった。LTTEが支配した時代の方が物価が安く、今は暮らし向きが苦しくなるばかりだ」とこぼした。

 LTTEの元メンバーには、政府支持者に転向した人もいる。広報担当者だったダイアマスター氏(57)はLTTEの思想を放棄し、一時は州議会選で与党側からの立候補を目指した。そんな彼ですら、「シンハラ人中心の軍とタミル人の和解は果たさなければならないことだが、今回の選挙でもたらされることはないだろう」と悲観的な見方を示した。

 それどころか、スリランカのラジャパクサ政権は、州議会選で一定の権利を得たタミル人に、独立運動の高揚を警戒して監視網をいっそう厳しくするとの見方が強い。

 豊かな観光資源が眠るジャフナ。砂浜で貝を採っていたアルチャナさん(30)は、「終戦で逃げ回らなくてよくなったことはうれしい」と話した。真っ白なビーチが観光客で埋まる日は、いつになれば来るのだろうか。

    ◇

 スリランカ内戦

 ヒンズー教徒中心の少数派民族タミル人が仏教徒中心の多数派民族シンハラ人の支配に抵抗し、1983年からタミル人反政府勢力、タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)の武装闘争とテロが激化。2009年5月、LTTE指導者のプラバカラン議長が政府軍に殺害されLTTEは消滅し、内戦が終結した。この間の犠牲者は7万人以上とされる。


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