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国際政治・世界事情
6801
:
チバQ
:2013/08/30(金) 21:18:40
http://mainichi.jp/select/news/20130830k0000e030253000c.html
対シリア:欧州、イラクの苦い記憶 薄い根拠に世論厳しく
毎日新聞 2013年08月30日 13時19分(最終更新 08月30日 14時12分)
フランスや外国軍がシリアに介入することに反対し、プラカードを掲げるデモ参加者ら=パリで2013年8月29日、AP
フランスや外国軍がシリアに介入することに反対し、プラカードを掲げるデモ参加者ら=パリで2013年8月29日、AP
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【ベルリン篠田航一、ブリュッセル斎藤義彦】シリアの化学兵器使用疑惑を巡り、英議会が軍事攻撃を容認する動議を否決したのは、国連安保理が認める以外の武力行使は「違法」だとする欧州の市民感覚に合致したものだ。イラク戦争を巡り分裂した欧州にとり、根拠が明白でない武力行使に対する疑問は強い。ドイツは29日、国連で化学兵器疑惑に対処するよう米露に働きかける仲介外交を開始。性急な武力行使に欧州を巻き込む米国のシナリオは根本的な見直しを迫られそうだ。
欧州での報道によると、最新の世論調査では、限定的な空爆を想定した武力行使について英国で50%、フランスで59%、ドイツで58%が反対を表明。欧州では武力行使懐疑派が多数を占めるようになっている。厳しい世論を背景にイタリアなどが国連安保理決議がない作戦には参加しない方針を表明。武力行使を米英と準備中だったフランスのオランド大統領も29日に「政治的解決が必要だ」と、トーンダウンした。
最も敏感なのは総選挙を9月22日に控えたドイツで、与野党とも武力介入への協力には慎重な姿勢を取った。メルケル首相は29日、野党の要求も入れてプーチン露大統領、オバマ米大統領に電話し、国連で政治解決をはかるよう求める仲介外交に乗り出した。
独首相府によると、メルケル首相とプーチン大統領は、化学兵器使用疑惑に「国連で対応すべきだ」との点で一致。シリア内戦は「政治対話でしか解決できず、ジュネーブでの和平会議開催を目指す」ことで合意した。
メルケル首相はオバマ大統領と電話で協議。化学兵器使用が「重大な国際法違反である」と確認したうえで、首相は大統領に「国連が責任を果たすべきだ」との考えを伝えた。
オバマ米大統領は、武力行使の前提として「広範な国際連携」が必要だと述べていたが、英議会の否決やドイツの方針転換で欧州からの協力は簡単には得られなくなった。
欧州で武力攻撃を急ぐことに反対する意見が強い背景には、安保理決議のないまま2003年に開戦したイラク戦争の経験がある。イラク戦争で欧州は賛成する英国や東欧諸国、反対する独仏などに分裂。独仏は米国に「古い欧州」と非難された。
戦争の根拠となった米英情報機関による大量破壊兵器の情報が戦後にうそだとわかり、各国に深い傷を残した。その後、欧州連合(EU)の統合が進み「分裂」は消えたが、苦い記憶は深く刻まれている。
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