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国際政治・世界事情
6601
:
チバQ
:2013/07/04(木) 21:59:20
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130704/mds13070418460018-n1.htm
【エジプト軍クーデター】
巻き戻された「アラブの春」の針 周辺国に影響も
2013.7.4 18:42 (1/2ページ)[紛争・クーデター]
3日夜、カイロ市内のタハリール広場で、モルシー大統領が排除されたとの軍の声明を受けて喜ぶ反モルシー派の市民ら(ロイター)
【カイロ=大内清】ムバラク政権が2011年に倒れたことで始まった地域大国エジプトの地殻変動の「第2幕」は、軍人でない初の大統領、モルシー氏が放逐される劇的な展開となった。モルシー氏の出身母体であるイスラム原理主義組織ムスリム同胞団は、「アラブの春」の恩恵を受け政権まで握ったが、社会の二極化を招き、多くの国民にノーを突きつけられた。軍の超法規的措置により、いったん後退した民主化が今後、軌道に乗るかは不透明だが、エジプトの動向は、イスラム勢力の台頭で混乱が続く域内の国々に影響する可能性もある。
エジプトのムバラク前政権はかつて、軍や財界と結びついて権力を集中することで政治安定を図ってきた。野党が育たぬ中、政権崩壊後、宗教的なつながりでメンバーらを大量動員し票につなげられる同胞団などのイスラム勢力が選挙で優勢となったのは自然の成り行きだった。他のアラブ諸国でも事情は似ている。アラブの春が「イスラムの春」といわれるゆえんだ。
しかし、そうして政権を握ったモルシー氏は、強権手法でイスラム化を志向し世論は分裂。政治の混乱は経済悪化に拍車をかけた。
今回のクーデターで軍は、デモの形で表れた「国民の思いをくみ上げる」(シーシー国防相)としてモルシー氏を解任。国民には、11年の政変から続く混乱が収束に向かうことへの期待も大きい。
政局の行方は不透明ではある。リベラル系野党は、この機に「真の民主化」を目指すとしているが、同国ではここのところ、収監されていた旧政権関係者が次々と釈放され、表舞台に復帰しつつある。
「財界が期待する大統領は(ムバラク氏の次男)ガマール氏だ」との声も聞かれ、リベラル系と旧政権系の勢力とが入り乱れた争いが展開される可能性は高い。
そして、「アラブの盟主」であるエジプトの政変劇は、周辺国にも影響を及ぼしそうだ。
同胞団系政党が政権を握るチュニジアでは最近、急進的イスラム勢力と世俗派の対立が激化。ヨルダンでは同胞団による反王制デモが頻発し、内戦が続くシリアではイスラム過激派の流入が続いている。こうした国々にとり、エジプト軍が超法規的にアラブの春の針を巻き戻したことは、ひとつの“前例”となるだろう。
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