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国際政治・世界事情
6589
:
チバQ
:2013/07/03(水) 21:56:28
http://www.asahi.com/international/reuters/RTR201307030121.html
2013年7月3日19時33分
焦点:カオス寸前のエジプト、米国の「傍観外交」に一因も
7月2日、エジプトの民主化運動が転換点を迎える中、オバマ米大統領は同国の対立する勢力に歩み寄りを促してはいるものの、その影響力は限られている。写真はカイロで6月撮影(2013年 ロイター/Amr Dalsh)
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[ワシントン 2日 ロイター] - エジプトの民主化運動が転換点を迎える中、オバマ米大統領は同国の対立する勢力に歩み寄りを促してはいるものの、その影響力は限られている。
かつて米国は、権力を一手に握るムバラク前大統領ただ1人を相手にしていればよかった。しかし今では、国民には不人気だが自由選挙によって選ばれたモルシ大統領と軍部を相手に交渉しなくてはならない。米国は現在、政治的合意を取り付けようと、極めて慎重に説得を試みている。しかも、抗議デモを行う何百万人ものエジプト国民の「民意」を無視することなしにだ。
エジプトはアラブ世界で最も多くの人口を抱え、主導的立場にある。そのエジプトの政変による影響は同世界全体に及ぶだろう。米国はすでに中東地域のイスラム武装勢力や宗派対立に頭を悩ませている。
しかし、オバマ米大統領はこれまで、モルシ大統領と親しい関係を築いてはおらず、民主化に向けたエジプトの努力に距離を置いているようなオバマ氏の態度は批判を受けてきた。
カオス状態に陥る寸前のようにみえるエジプトに対し、米国政府の喫緊の課題はいかに軍部に影響を与えられるかだ。軍は3日午後5時(日本時間4日午前0時)までに政治勢力による事態打開ができなければ、独自のロードマップを実行する用意があるとしている。
モルシ政権に対する軍のクーデターは、オバマ米大統領が中東で推進する民主化を大きく損なうことになり、エジプトへの軍事支援も中断する可能性がある。
中東の安全保障上、エジプト軍に対する米国の影響力は強大で、ケリー米国務長官は5月、米議会が設定した民主主義の基準をエジプトが満たさなかったにもかかわらず、13億ドルの軍事支援を承認した。
米国防総省のある当局者は、デンプシー統合参謀本部議長が今週、エジプト軍のソブヒ参謀総長と電話会談したと明かした。会談の内容は明らかにされておらず、デンプシー氏や他の米高官がクーデターについてはっきりとくぎを刺したかどうかも不明だ。
オバマ大統領、ケリー国務長官ら米国の指導者たちはこれまで誰1人としてエジプト軍の「最後通告」を公には批判していない。
エジプトとイスラエルで勤務経験がある米国務省の元職員で、現在はシンクタンク「アトランティック・カウンシル」に所属するミシェル・ダン氏は、軍部がモルシ政権を倒して自ら統治しようとするのか、それともそこまではせずに文民から名ばかりの指導者を指名するかが重要なポイントだと指摘した。
<オバマ米大統領「デモ参加者の声を聞け」>
オバマ政権は、モルシ大統領率いるイスラム組織「ムスリム同胞団」があらゆる勢力を包含する効果的な政府をつくることに失敗したと考えている。オバマ政権はモルシ大統領をホワイトハウスでまだ一度ももてなしていない。昨年にモルシ氏は訪米を予定していたが、同氏がイスラエル人を「猿と豚の子孫」と表現した2010年のビデオが明らかとなり中止された。
ホワイトハウスによると、オバマ大統領は2日にモルシ大統領に電話し「民主主義とは、多くのデモ参加者を含む全てのエジプト国民の声に確実に耳を傾けることだ。今起きている危機は政治的プロセスによってのみ解決可能」と伝えたという。しかし、モルシ大統領は歩み寄る姿勢を見せておらず、軍に対して最後通告を撤回するよう求めている。
米政府にとって、モルシ政権とのコミュニケーションは困難さを増している。米国務省のサキ報道官は2日、ケリー国務長官がエジプトのアムル外相に電話したが、同外相が辞表を提出していたことを報道陣から聞かされたと明かした。過去数日で、外相以外にもモルシ政権の要人数人が辞めたとみられている。ケリー氏がアムル氏と話したとき、アムル氏がまだ辞任していなかったかは不明だが、このことは米政府にモルシ政権が崩壊しつつあるとの感触を与えた。
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