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国際政治・世界事情

6577チバQ:2013/07/02(火) 22:59:32
http://mainichi.jp/select/news/20130702ddm007030153000c.html
民族和解への挑戦:クロアチア、EU加盟/4止 恋人はセルビア人 「橋渡し」広がる共感
毎日新聞 2013年07月02日 東京朝刊


向こう岸にセルビアを望むブコバルのドナウ河畔で、将来を語り合う、クロアチア人のサンドラさん(左)とセルビア人のニコラさん=樋口直樹撮影
拡大写真
拡大写真 出会いは偶然だった。3年前、クロアチア人女性のサンドラ・コバチェビッチさん(23)が、交流サイト「フェイスブック」で知り合い、心引かれた相手は、クロアチア紛争(1991〜95年)最大の激戦地ブコバルに住むセルビア人男性だった。セルビア人は祖国を軍靴で踏みにじったかつての敵だったが、サンドラさんは気にしなかった。しかし、3カ月の遠距離恋愛の末に待っていたのは家族からの勘当だった。

 「セルビア人との交際だけは許さない。家族をとるか、セルビア人をとるか、どちらかにしろ」。クロアチア西部の大学で文学を学んでいたサンドラさんが、東部ブコバルのジャーナリスト、ニコラ・ミロシェビッチさん(26)との交際を打ち明けると、保守的な父親(48)は烈火のごとく怒った。

 敬虔(けいけん)なキリスト教徒の母親(45)はサンドラさんの部屋を訪ねては、聖書を読み聞かせながらこう言った。「お前はクリスチャンではいられなくなるよ。セルビア人はキリスト教徒じゃないんだから」。大多数のクロアチア人と同様、サンドラさん一家はカトリック教徒。セルビア人はセルビア正教徒で、同じキリスト教徒だが、宗派の対立は根深い。

 サンドラさんは両親も、「民族の違いなど関係無い」と言ってくれたニコラさんも、失いたくなかった。10日後、選択を拒否したサンドラさんは家を追われた。すべての私物を家の外に運び出され、再び玄関に足を踏み入れることを禁じられたのだ。サンドラさんは休学して働き、2年ほど前からブコバルでニコラさんとその母親と3人で暮らし始めた。

 クロアチアでは91年の旧ユーゴスラビア連邦からの独立を機に、連邦への残留を求める国内セルビア人武装勢力と、政府軍の間で紛争が勃発した。紛争終結から18年を経て若い世代に当時の記憶はほとんどないが、サンドラさんは学校で「セルビア人は侵略者。殺りくとレイプを繰り返した」と学び、ニコラさんは「クロアチアの一方的な独立が戦争を招いた」と学んだ。

 二つの民族が全く異なる歴史観を振りかざす中、二人が将来を約束できたのは「互いに納得できる答えを見いだすまで徹底的に話し合ったからだ」という。「双方の民族主義的な政治家が引き起こした戦争であって、双方の国民に罪はない。いずれの側にも戦争犯罪があったが、民族全体の責任を問うのは間違っている」。二人が導き出した歴史観だ。

 旧ユーゴの「民族融和のシンボル」と呼ばれたブコバルだが、紛争中は最大の激戦地となり、今も民族間の亀裂が横たわる。だが、若いカップルはこれまで知り合うチャンスさえ無かったそれぞれの友人の「橋渡し役」として、小さいながらも共感の輪を広げつつある。

 「ブコバルでも私たちのようなカップルが問題視されなくなる時代がきっと来る」。いまだ両親から勘当されたままのサンドラさんに、ニコラさんがそう言ってほほ笑みかけた。【ブコバル(クロアチア東部)で樋口直樹】=おわり

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