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国際政治・世界事情

6314チバQ:2013/05/18(土) 23:33:21
 州内には、世界有数のエンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」が拠点を置き、仏語による作品を手掛けるシナリオライターや演出家が続々と出てきている。ケベック文化への人々の自負は強い。

 ケベック州は独立を実現させる経済力は持っている。航空宇宙や製紙パルプ、IT、医薬産業が盛んで、経済規模も13州・準州の中で第2位。「近年独立した他の国よりも経済力があるし、潜在力も秘めている」(地元紙)とされる。

 

困難な分離手続き


 ただ、経済的要因がそろったとしても、実際に独立に踏み込める状況には至っていない。ケベック党は州議会(125議席)で政権を握るとはいえ少数与党(54議席)のままだ。連邦維持派の自由党(50議席)が敗れたのは汚職や大学学費値上げ方針への反発によるもので、独立への支持が高まったからではない。

 オタワ大学のマルタン・パピヨン教授(政治学)は「95年の住民投票の挫折がトラウマとなっている。分離手続きは困難を極めるだろうし、独立後の状況も不確かだ。独立への欲求は現在はわいていない」とみる。

 政治評論家のデズモンド・モートン氏も「中東民主化運動『アラブの春』で人々の生活が良くなっていないように、(独立という)過激な行動で生活が劇的に向上するわけでもない。ケベックの人々は、オタワ(連邦政府)が主導する国際貿易によって自分たちの生活が成り立つという事実も認識している」と話す。

関心がない若年層


 若年層の間では仏語より英語に親しむ割合も増えており“独立一辺倒”ではない。3人の子供を持つ主婦(55)は「(英語圏の)トロントに住んでいる26歳の長男は私と仏語で話すのを拒否し、独立にもあまり関心がない」と語る。

 ブティックの女性経営者ジョリ・ビロドさん(34)も「若者の間で独立は重要なテーマではない」と断言。「経済力のあるケベックなしにカナダは生きられず、ケベックが独立すればカナダは崩壊するだろう」と話す。

 2010年のバンクーバー冬季五輪でカナダ・男子ホッケー代表が金メダルを獲得した際、同州では「カナダ国民であることが誇りだ」との回答者が約9割にも上り、「カナダ国民」としてのアイデンティティーも共存する。モントリオール大学のエリック・モンプティ教授(政治学)は「『独立』は古い夢、1995年に一時膨らんだ夢だった」とした上で、「休火山のように休眠状態にあるだけで、いつでも主要議題にはなり得る」との見方も示している。

    ◇

 ケベック州 面積は13州・準州の中で2位(約166万平方キロ、日本の約4倍)。人口約790万人。州都はケベック市だが最大都市はモントリオール市。同市は仏語圏の都市としてはパリに次ぐ第2の規模を持つ。州内の英語系人口は10%前後といわれる。航空宇宙産業のボンバルディア、カナダ最大の航空会社エア・カナダ、鉄道会社のカナディアン・ナショナル鉄道などの大企業がケベック州に本社を置いている。


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