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国際政治・世界事情

6298チバQ:2013/05/15(水) 20:52:22
http://mainichi.jp/select/news/20130512ddm007030102000c.html
惑うアラブ:革命後のエジプト/5止 「消えた」歴代大統領 現代史教育、迷う現場
毎日新聞 2013年05月12日 東京朝刊

 <惑(まど)うアラブ>

 2012年9月。新学期を迎えたエジプトの小学校で教科書が配布された。南部ルクソールで歴史を教えるダイ・アフマドさん(35)はページをめくりながら、異変に気づいた。現代史の章から、ナセル、サダト、ムバラクの歴代3大統領の業績を説明する13ページ分の記述が消えていたのだ。代わりに11年の革命に関する説明が7ページ分加わっていた。「歴史を書き換えようとする意図」を感じた。

 教科書通りに授業を進めると、児童から「ナセルやサダトは何をしたの?」と聞かれる。以前の教科書も参考にしながら説明をしているが、「独自に教えてもいいものなのか」という迷いもある。アフマドさんは「子供たちは歴史を『物語』として学びたいと思っている。今の教科書には物語がない」と嘆く。

 「なぜ革命で追い出された大統領のことを教えなければならないのか」。取材に応じた教育省のセラジ報道官は事も無げに言った。報道官は穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団のメンバーでもある。改訂作業は同胞団出身のモルシ大統領が昨年6月に政権に就く以前の軍政下で行われ、同胞団は関与していないと説明した。

 だが教育省関係者によると、昨年春、同胞団出身の人民議会(国会)議員が、ムバラク氏の記述を消すよう教育省担当者に要求したという。歴史学者で作る改訂委員会が急きょ開かれ、歴代大統領の記述削除を決めた。

 革命の影響は、教科書の書き換えだけにはとどまらない。

 ルクソールにあるハッダディンド小学校教師のアブドルラヒーム・ムハンマドさん(34)は「生徒のマナーが明らかに悪くなった」と嘆く。授業中に出歩いたり、騒いだりするクラスが増え、一部の学級は授業ができない「学級崩壊」の事態に陥った。だが児童たちを叱ると、今度は一部の保護者が「どうせ教育を受けても今はろくな職もない。せめて自由にさせてやってくれ」と学校に怒鳴り込んできたという。「モンスターペアレント」さながらの振る舞いだ。

 同校があるルクソール県アルゴルナ地域の教育省担当者アフマド・ハムザさん(60)によると、こうした状況は多くの小中学校に共通する。今年3月、厚化粧で登校してきた中学1年の女子生徒を担任が叱ると、父親が警察に訴えた。別の小学校では、1年生が社会科の授業をボイコットするために廊下に座り込んだ。ハムザさんは「革命の悪影響だとしか思えない」と嘆く。

 「教育は社会の未来を映す。エジプトの未来はどうなるんだろうね」。ハムザさんは力なく笑った。【秋山信一】=第1部おわり


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