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国際政治・世界事情
5919
:
チバQ
:2013/03/14(木) 22:15:15
http://mainichi.jp/select/news/20130315k0000m030065000c.html
新ローマ法王:対立の末、穏健派選出 改革、伝統両派支持
毎日新聞 2013年03月14日 21時14分
【ローマ福島良典】スキャンダルと権力闘争に揺れるバチカン(ローマ法王庁)は13日、新法王フランシスコ1世(76)の選出を祝い、カトリック教会の再生に向けた「団結」を演出した。法王庁を刷新したい改革派と、組織の現状維持を望む伝統派の双方に受け入れ可能な穏健派を選び、対立にとりあえず終止符を打った側面が強い。初の中南米出身法王の誕生で新風が吹き込まれるが、長い歴史を持つ法王庁の方向転換は容易ではない。
フランシスコ1世という法王名が由来する中世のイタリア・アッシジの聖人フランシスコは「荒れ果てた私の家を修理してほしい」とのイエス・キリストの声を聞いたと伝えられている。このため、教会関係者の間では「名前はバチカンを内部から変えようという新法王の決意の表れ」と受け止められている。
今回の法王選挙会議(コンクラーベ)では、米国枢機卿団などの改革派と、イタリア人枢機卿団の一派ら法王庁派の対立が表面化。改革派候補のスコラ・ミラノ大司教(71)と、法王庁派の推すシェレル・サンパウロ大司教(63)の争いがこう着し、「第3の候補が浮上した」(イタリア紙コリエレ・デラ・セラ)との指摘もある。
バチカンから遠いアルゼンチンで教会活動に従事してきたフランシスコ1世は法王庁派ではなく改革派寄り。イタリア紙レプブリカはベルトーネ法王庁前国務長官(78)ら法王庁を牛耳ってきた「イタリア人枢機卿の敗北」と分析した。
ただし、フランシスコ1世は教義解釈の点では家族や生命の価値観を重視する立場を取っており、10年にアルゼンチン国会が同性婚を認める法案を可決した際には「神の計画を破壊しようという試みだ」と非難。コンクラーベでは保守派枢機卿の支持も取り付けたとみられる。
前途には課題が山積している。資金の調達・管理にあたるバチカン銀行の運営健全化、神父らによる性的虐待問題で失墜した教会の権威回復、神父不足の手当てなどだ。フランシスコ1世が法王庁幹部出身でないのはバチカンの風通しを良くする上で強みだが、組織の内情に疎い点は弱点にもなり得る。法王庁内部に立て直しのための足場を築けるかどうか手腕が問われる。
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