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国際政治・世界事情
5917
:
チバQ
:2013/03/14(木) 22:11:53
http://mainichi.jp/select/news/20130314k0000e030171000c.html
新法王選出:「脱欧州」の一歩 バチカン、改革姿勢示す
毎日新聞 2013年03月14日 12時25分(最終更新 03月14日 17時43分)
新法王に選出され、サンピエトロ大聖堂のバルコニーに姿を見せたフランチェスコ1世(中央)=AP
拡大写真 【バチカン福島良典】キリスト教カトリックの総本山であるバチカン(ローマ法王庁)は、新法王にアルゼンチン出身のフランシスコ1世(76)を選出し、「脱欧州」の一歩を踏み出した。ベネディクト16世の退位でバチカンの内部対立が表面化する中、貧者救済の原点に立つフランシスコ1世に教会再生の望みが託された形だ。長年にわたる欧州中心主義のくさびから自己を解き放ったことで、バチカンは改革に乗り出す用意を内外に示したと言える。
フランシスコ1世は法王選挙会議(コンクラーベ)直前までの有力候補に入っておらず、法王選出は「大きな驚き」(元法王庁職員)を持って受け止められた。有力候補とされていたイタリアのスコラ・ミラノ大司教(71)、ブラジルのシェレル・サンパウロ大司教(63)らの間で枢機卿(115人)の票が割れた結果、白羽の矢が立ったとみられる。
初の中南米出身法王が誕生した背景には、カトリック教徒人口の点からの欧州の地盤沈下と中南米の隆盛がある。本家・欧州で若者のキリスト教離れが進む中、バチカン関係者の間では、世界約12億人のカトリック教徒の4割が暮らす中南米からの法王誕生は「時間の問題」と受け止められていた。
それを阻止していたのは、法王庁に脈々と流れてきた欧州中心主義の伝統だ。今回のコンクラーベでも参加した枢機卿115人のうち過半数の60人が欧州出身者で、カトリック教徒の地理的分布とは釣り合わない欧州偏重色が残っていた。
だが、今回のコンクラーベは、秘密文書漏えい事件(バチリークス)で法王庁が揺れる中で実施された。ベネディクト16世が退位間際、バチカン内紛を戒めたことが間接的に新法王選出に影響を及ぼした可能性がある。組織や権限の現状維持を望む一派が守勢に立たされ、バチカン改革を求める米国枢機卿団の声が通りやすくなったためだ。
バチカンでは78年にポーランド出身のヨハネ・パウロ2世がイタリア人以外で455年ぶりに法王の座に就き、「脱イタリア」を果たした。今回、法王のバトンが欧州から中南米に渡ったことで「世界に広がる教会」の実態をより反映したバチカンになる。新法王が歴史的な転換点を具体的な教会改革につなげることができるかどうかが焦点だ。
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