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国際政治・世界事情

5808チバQ:2013/02/23(土) 04:39:41
http://mainichi.jp/select/news/20130221ddm007030135000c.html
問われる「国家」:イタリア総選挙/4 政府に不信、独立宣言
毎日新聞 2013年02月21日 東京朝刊

 ◇「見捨てられた村」緊縮策に反旗
 ローマから東に車で約2時間半、つづら折りの山道を進むと、ラツィオ州フィレッティーノ村が姿を現す。人口わずか590人。小さな商店や食堂が山肌に張り付くように建つ。雪がちらつく通りに人影はまばらだ。

 イタリアが債務危機に揺れていた一昨年8月、村は一躍、有名になった。「財政緊縮策の一環として人口1000人以下の村を統合する」との政府方針に当時のルカ・セラッリ村長が反旗を翻し、イタリアからの「独立」を宣言したためだ。

 掲げた名前は「フィレッティーノ公国」。「独立」のシンボルに国旗を作り、おもちゃの独自通貨「フィオリト」を印刷した。地元出身の妻を持つ弁護士の元国会議員を「君主」に迎え、30人の「議員」と15人の「閣僚」を任命。国内外のメディアが詰め掛けた。

 「独立宣言はいわば私たちが仕掛けたゲーム。狙いは海外メディアの関心を集めて観光客を呼び込み、村民の暮らしを良くすることだった」。「公国君主顧問」の食堂店主、パオロ・チェロッキさん(69)が解説する。

 「豊かな水資源を生かして、自治権を強めたい」という思いもあった。フィレッティーノはローマへの水の主要供給元。村はローマ市当局に水供給の「見返り」として道路改修費の補助や村民の雇用などを求めた。水の売却先としてカタールにも接触したという。

 だが、「独立」の夢はしぼんだ。見込んだ観光客ラッシュは起こらず、セラッリ村長は村議会の支持を失い辞任。現在は事実上、村長不在のため、観光収入源のスキー場は閉鎖中だ。「見捨てられた村さ」と地元住民の一人がつぶやく。

 村の小学校では6歳から10歳まで14人の児童が一つの教室で授業を受ける。教師のマリア・カルメラ・タルディオラさん(58)は「私はまずイタリアの市民。子供たちにもそう教えている」と「独立」には懐疑的だが、中央政府への不信感は根強い。「この村は中央政府から十分な支援を受けていない。政治家の公約は破られてばかり。総選挙(24〜25日投票)でどの党に投票するかは考えているところ」と話す。

 5月には村長選挙があり、独立反対派の候補が名乗りを上げている。セラッリ前村長に再出馬を働きかけているチェロッキさんらは「反対派は『村の活性化』という公国構想の狙いを理解していないだけ」と主張する。

 もともと地方の独立志向が強いイタリアが国家として統一されたのは百数十年前にすぎない。フィレッティーノの独立構想は今もなお、「国の役割とは何か」という問いをイタリアに突き付けている。

【フィレッティーノ(イタリア中部)で福島良典】=つづく

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 ■ことば

 ◇イタリアの地方行政
 地方自治体として20の州、110の県、8092のコムーネ(市町村に相当)がある。州のうちアルプス地方3州と、地中海に浮かぶシチリア、サルデーニャ両州の計5州は「特別州」と呼ばれ、強い自治権を持つ。イタリアでは90年代以降、地方分権が進められてきた。総選挙では「コムーネ」の再編や「県」の廃止を掲げる政党もある。


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