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国際政治・世界事情

5806チバQ:2013/02/23(土) 04:38:35
http://mainichi.jp/select/news/20130219ddm007030044000c.html
問われる「国家」:イタリア総選挙/2 将来に絶望、頭脳流出
毎日新聞 2013年02月19日 東京朝刊

 ◇「失業者俳優」に職、人生変わる
 ステージ上の男たちがスポットライトの中、ズボンを脱ぎ捨てる。体当たりの演技に拍手が上がる。ローマのシスティーナ劇場で上演されたミュージカル「フル・モンティ」。俳優の一人で、男性ストリッパー役のマルコ・セラフィーニさん(38)は、コミカルな動きで観客を沸かせた。

 作品の舞台は、かつて鉄鋼業で栄えた英国北部シェフィールド。不況のために解雇され、失業した元工員たちが、なんとか仕事にありつこうと男性ストリッパーになるまでを描いた映画を元にした作品だ。

 物語はセラフィーニさんの半生と重なる。イタリア北部トリノの電気部品工場で働いていたが、失業。2000年代後半から理髪用品を扱う商売を始めたものの、経済危機に見舞われ、昨年5月に再び無職となった。「求職の履歴書を送ってもなしのつぶてで、絶望のどん底だった」

 財政再建のための緊縮策が進められてきたイタリア。国際市場の信用は取り戻したが、長引く景気後退で失業問題が深刻になっている。失業中だったセラフィーニさんは昨年12月、「失業者俳優」の公募を知り、オーディションを受けた。

 セラフィーニさんを起用したマッシモ・ロメオ・ピパロ監督(45)は「失業はイタリアにとって重大な問題だ。観客が『実際の自分たちの暮らし』の一部を垣間見ることができるよう、舞台にできるだけ現実味を出したかった」と説明する。

 就職難は卒業を控えた大学生たちにとっても深刻な悩みだ。ローマ大学文学部に通うアンナ・ジュリア・マッキアレッリさん(21)は「イタリアでは職を探すのが難しい。米国に行って仕事を見つけたい」と打ち明ける。

 頭脳流出問題に詳しいジャーナリストのセルジョ・ナバ氏(37)は「年間5万〜6万人のイタリア人が海外に移住しているとの統計があるが、実態は約2倍とみている。半数は働き盛りの20〜40歳だ。若者たちは国の将来に絶望している」と指摘する。総選挙(2月24〜25日投票)については「聞こえてくるのは国の将来をどうするかでなく、カネ(税金)が戻ってくるかどうかといった目先の話ばかりだ。頭脳流出に歯止めをかけ、人材を有効に活用できなければ、イタリアの衰退は運命づけられている」と警鐘を鳴らす。

 1月にローマで始まったミュージカル「フル・モンティ」の公演は、総選挙をはさんで4月まで国内主要都市を回る。俳優という職を得たセラフィーニさんは「絶望から抜け出し、人生が変わった。専門学校に入って本格的な俳優を目指したい」と言う。ピパロ監督は「『政治が何かしてくれるのを待たず、自分を信じて人生を切り開こう』とのメッセージを伝えたい」と語り、イタリアに明るさを取り戻したいと願っている。【ローマ福島良典】=つづく

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 ■ことば

 ◇イタリアの失業率
 昨年12月時点の政府統計によると、失業率は99年以来最悪水準の11・2%で、欧州連合(EU)加盟27カ国で10番目に高い。15〜24歳の若年層では36・6%に上り、モンティ内閣が発足した一昨年11月の30・1%から6・5ポイント増加。選挙戦では各党とも失業対策、若者雇用促進などを公約に掲げている。


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