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国際政治・世界事情
5623
:
チバQ
:2013/01/17(木) 00:05:02
http://mainichi.jp/select/news/20130117k0000m030099000c.html
パキスタン:政権崩壊へ軍主導か 汚職疑惑で首相逮捕命令
毎日新聞 2013年01月16日 20時54分
【ニューデリー杉尾直哉】パキスタン最高裁がアシュラフ首相の汚職疑惑が強まったとして15日に首相らの逮捕を命じたことで、内政が一挙に流動化する恐れがでてきた。首都イスラマバードでは、「腐敗した現政権の打倒」を訴える住民デモが14日から続き、その規模は16日現在で最大8万人にまで拡大。一部が警官隊と衝突した。一連の動きについて、「ザルダリ大統領が率いる与党・人民党政権を崩壊させるため、軍が背後で動いている」との観測も出ている。
アシュラフ首相の前任のギラニ前首相は、米軍特殊部隊による国際テロ組織アルカイダのビンラディン容疑者殺害作戦(11年5月)を巡り、軍と激しく対立。11年秋にはザルダリ大統領が軍事クーデターを阻止するため米軍に協力を依頼するメモを作成したとの疑惑が表面化し、軍トップのキヤニ陸軍参謀長が徹底調査を求めるなど、さらに関係が悪化した。その後、ギラニ氏は最高裁に法廷侮辱罪で有罪を言い渡され、昨年6月に辞任に追い込まれた経緯がある。
反政府デモの参加者は14日以降、首都中心部の議会近くの幹線道路を約1キロにわたり占拠している。今回、デモの広がりと時を同じくして突然の首相逮捕命令が出されたことについて、アシュラフ首相の側近、チョードリー氏はロイター通信に対し、「軍が黒幕だ」と指摘した。
「軍主導」の臆測の裏付けとして挙げられているのが、デモを率いるイスラム教指導者のタヒル・カドリ氏の存在だ。カドリ氏は、99年のムシャラフ陸軍参謀長(当時、後に大統領)による軍事クーデターを支持し、02年の総選挙で下院議員に当選した。06年にカナダに渡り、欧米などに住むパキスタン人の間で影響力を保持してきたが、昨年末に突然、パキスタンに帰国。激しい政府批判の演説を繰り広げ、急速に支持を広げた。イスラマバードの政治アナリストは「確たる証拠はないが、軍がカドリ氏を利用して多数の住民をデモや反政府集会に動員している可能性は否定できない」と話した。
パキスタンでは47年の建国以来、3度の軍事クーデターが繰り返され、国政の実権は軍が掌握しているといわれている。しかし、国際的な批判を考慮し、軍はあからさまな民政政権打倒は望んでいないともみられている。
パキスタン北西部では今年に入り、米国による無人機空爆が少なくとも5回実施され、計約40人の武装勢力メンバーが殺害された。異例の攻撃激化に対し、通常であればパキスタン軍当局は「主権侵害」として激しく抗議するところだが、今回は沈黙を守っている。軍をめぐるさまざまな臆測が広がるなか、「表舞台に出るのを控えているのではないか」(別のアナリスト)との指摘もある。
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