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国際政治・世界事情

548千葉9区:2009/04/22(水) 23:35:54
 ◆変化に伴う危険

 地方政党が国政の主導権を握るまでにはなっていないが、全国政党との連立交渉への参加は政治的統合に向けた重要な力になっている。現在の中央政権は多数の地方政党・勢力が結集したものだ。2004年に発足したUPA政権は会議派と12の地方政党で構成され、さらに左翼政党など5政党からの閣外協力を得ていた。

 政治的支援と引き換えに地方の開発のための資源提供を間接的に行うことで、こうした中央と地方の協力関係が強化されることが多い。一時人民党政権を支持していたテルグ・デサム(TDP)は莫大(ばくだい)な補助金を獲得し、地元アンドラプラデシュ州の原子力発電所の建設許可を取り付けていた。

 このように現在のインドでは、議席や政治的影響力の拡大を目指す地方政党が勢いづいている。地方の影響力が増したことで、会議派が本来持つ中央集権的な性格が弱められ、人民党の過激主義的なイデオロギーを和らげ、そして一部の州では分離に向けた緊迫状況を緩和している。

 UPA連立政権は、こうした状況を織り込み、堅固な連合体として過去4年間、極めて安定した政権運営を行ってきた。

 政治体制の変化の中で地方政党は力を強めてきたが、同時に変化そのものには危険がつきまとう。国の繁栄で地域格差が広がった。不安定な国境地帯では地域や民族に対する住民の帰属意識が高まるにつれ、民族闘争が復活する恐れがある。

 ここへ来てアッサム州やジャルカンド州、パンジャブ州、ジャンムカシミール州で起きている紛争も、恵まれない民族グループが自身の不利な立場を認識したことに端を発したものだ。

 【結論】 

 インドの政治機構の中で地方のアイデンティティーの高まりや地方政党の影響力拡大は、全国的な国民統合達成に向けた取り組みを脅かすというよりも、地方と中央をまとめ、国全体としてより調和のとれた状態に導くものだ。政治的変化はさまざまな危険を伴う。しかし、インドには、民主主義の発達により、そうした危険を封じこめるのに十分な力強さが備わっているものと思われる。


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