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国際政治・世界事情
5356
:
チバQ
:2012/11/22(木) 22:39:15
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121122/mds12112221280003-n1.htm
イスラエル・ハマス痛み分け 「アラブの春」が影響
2012.11.22 21:27 (1/2ページ)
21日、エジプト・カイロでイスラエルとハマスの停戦基本合意を発表するエジプトのアムル外相(右)とクリントン米国務長官のテレビ映像(AP=共同)
パレスチナ自治区ガザ情勢は、イスラエルとガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスによる停戦合意で、イスラエル軍による地上侵攻はひとまず回避された。しかし、合意には当事者や関係国の思惑が入り乱れ、停戦の持続には危うさも潜んでいる。
【カイロ=大内清】イスラエルによるガザ地区への大規模攻勢は、2008〜09年の前回と違い、地上侵攻に至る前に外交的解決が図られた。停戦合意については、イスラエルとガザを実効支配するハマスがともに“勝利”を主張。イスラエルがハマスを圧倒した前回に比べ、痛み分けともいえる結果となった背景には、昨年以降、中東諸国を大きく揺さぶった「アラブの春」の影響がある。
「テロ組織に高い代償を支払わせた」。停戦発効を受け、イスラエルのネタニヤフ首相は21日夜、軍事作戦の戦果を強調した。
イスラエル軍は8日間の空爆で、ハマスの軍事司令部や武器密輸トンネルなどガザ内の約1500カ所を爆撃した。ハマスが保有するイラン製長距離ロケット弾も大部分を破壊。対空防衛システムがロケット弾撃墜に相当程度、威力を発揮し、市民の被害は最小限に抑えられた。
にもかかわらず、ハマス側は「イスラエルは何一つ目的を達成できていない」と、強気の姿勢を示す。イスラエルが準備を進めていた地上侵攻を、アラブ各国との連帯で回避させた、との意識があるためだ。
イスラエルは前回の大規模攻勢で、「一方的撤退」を宣言するまでの約2週間にわたり地上軍をガザに展開。約1400人が死亡し、ハマスは統治基盤に大打撃を受けた。だが今回は、空爆開始直後からアラブ各国の外相らが次々とガザを訪問しハマスへの支持を表明、地上侵攻に対する牽制(けんせい)ともなった。
アラブの人々にはなおも強い反イスラエル感情がある。エジプトのムバラク前大統領などの親米穏健派政権が強権的な統治でその噴出を押さえ込んできたが、昨年初め以降の民主化デモの広がりで、独裁的な長期政権が相次いで崩壊。選挙を通じて選ばれた新政権は、民意の動向に配慮せざるを得なくなっている。エジプトのモルシー政権が、ハマス寄りの仲介姿勢を貫いたのはそのためだ。
ネタニヤフ政権も「アラブの春」後の情勢を踏まえ、地上侵攻のリスクをギリギリまで見極め、来年1月に控えた総選挙への悪影響や、平和条約を結ぶエジプトとの関係悪化を避けるために、ひとまず踏みとどまったとみられる。
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