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国際政治・世界事情

5323チバQ:2012/11/18(日) 05:09:48
http://mainichi.jp/select/news/20121113mog00m030004000c.html
揺らぐイラン:制裁下の市民は/2 苦悩する若者たち 高い失業率/大学で麻薬流行
2012年11月13日


仲間と作った録音スタジオで、取材に応じる男性。終始、伏し目がちだった 「生活は腐り、人々はただ神の名を呼ぶだけだ」

 「少しの希望と金はまだあるが、墓場まではあと2メートル」

 風刺を込めた自作のヒップホップを歌うのは、7月にイラン最高峰のテヘラン大を卒業したばかりの男性(22)だ。テヘラン西部のマンション一室に作ったスタジオに仲間と集まる。「ここで音楽に浸りながら大麻(マリフアナ)を吸う。最高さ」。戒律が厳しいイスラム国だが、麻薬は酒よりたやすく手に入る。イランでは麻薬もヒップホップも、同じように「違法」だ。

 男性は幼い頃から勉強熱心で、志望通りテヘラン大の文系学部に入学した。だが「授業は退屈だった。優秀な教員の多くが、イスラム体制に批判的とみなされ、追い出されたためだ」という。イランでは宗教心が強く、体制に忠実であることが就職や出世の必須条件。男性はそんな現実に絶望し、麻薬に逃避した。「同級生30人のうち就職できたのは、体制とコネのある10人ほど。残りのうちの7、8人は学生当時から僕と同じ麻薬中毒さ」。男性は伏し目がちに笑った。

 イラン統計センターによると、今夏の失業率は12・4%。若者(15〜29歳)に限ると24・8%に跳ね上がり、昨年比で2・3ポイント上昇した。だが実態はそれ以上だといわれる。イランの核開発疑惑に対する米欧の制裁で景気の悪化が加速し、優秀な学生ですら就職できない状況が続いている。

 イランでは09年6月の大統領選で、保守派のアフマディネジャド大統領が再選された。選挙結果に疑念を抱く改革派を支持した若者らは連日、数万人規模のデモを起こした。しかし治安部隊が徹底弾圧し、多くの学生が逮捕されると、運動は急速にしぼんだ。

 男性が振り返る。「米国、スウェーデン、マレーシア……。選挙後の3年間だけで親しい友達12人が国を去った」。イランは高等教育の水準は高いが、能力を生かす場は限られ、海外への「頭脳流出」が続いてきた。

 さらに制裁の影響で今年9月、イラン国内の通貨暴落により外貨が急騰。費用がかさみ、米欧との関係悪化でビザ入手も難しくなり海外留学は格段に難しくなった。「結局金とコネさ。努力しても報われない。イスラムが理想とする平等なんてどこにあるんだい」。男性は、はき捨てるように言った。

 イラン滞在16年のテヘラン大講師、清水直美さん(45)は男性のような若者世代をこう見る。「前回の大統領選でデモが弾圧されて以来、学生たちは急速に政治や社会に無関心、無気力になった。ただ、社会に不満を抱きながらも、産油国ならではの生活レベルを捨てられない。社会を本気で変えようとは考えていない」

 イラン社会特有の閉塞(へいそく)感に、制裁が追いうちをかける。「海外」への道は遠くなり、さりとて「アラブの春」のような熱狂も生まれない。「イランの頭脳」は、その活路を見いだせないまま困難の道をさまよっている。【テヘラン鵜塚健、写真も】=つづく


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