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国際政治・世界事情

5322チバQ:2012/11/18(日) 05:09:01
http://mainichi.jp/select/news/20121111mog00m030999000c.html
揺らぐイラン:制裁下の市民は/1 広がる格差 働く子供急増、高級外車は販売好調
2012年11月11日

 通行人でごった返すテヘラン中心部の「革命広場」。小学1年生のザフラーさん(13)は授業が終わると毎日ここへ「出勤」する。夕方まで売り歩くのは、14世紀のイランの大詩人ハーフェズの言葉を引用した人生占いだ。

 「最近はさっぱり売れないの」。1枚5000リヤル(約15円)。昨年この仕事を始めたころは1日20枚以上売れたが、今は10枚程度にとどまる。

 ザフラーさんはテヘラン南部に祖母(60)と暮らす。父は病死し、母は家を出たまま戻らない。昨年までは靴工場で1日12時間働いていた。借家の家賃は「家主にまけてもらっている」が、病弱な祖母の薬代が必要だ。しかし米欧諸国の制裁の影響で、医薬品が品薄になり価格が急騰。市民の財布のひもは固くなり、占いも売れなくなった。

 祖母の許しで今年ようやく小学校に入れたという。「勉強すれば、看護師さんになれるかな」。急に目を輝かせ、ペルシャ文字の練習をしたノートを見せてくれた。だが「市役所の人に見つかると怒られる」と写真の撮影は拒んだ。ティッシュやガムを売り歩く10歳前後の子供は広場周辺だけでも10人以上見かけた。

 イランのNGO「子供の権利保護協会」の推計では、働く子供は180万人。これまで大半はアフガン難民だったが、この1年間でイラン人の子供が急増したという。

 相次ぐ米欧の経済制裁で食料や医薬品が値上がりし、市民生活を圧迫。バヒドダストジェルディ保健相は10月15日、「高騰した医療費が原因で貧困層が増えた」と認めた。「公平と平等」「貧者の救済」を理念とし、欧米の「格差社会」を批判するイスラム国家が、自国の格差を認めるのは異例だ。

 半国営のイラン労働通信も10月21日、経済評論家の分析を紹介し「(必要最低限の生活以下の)絶対的貧困率が25〜32%に達し、格差拡大が進んでいる」と指摘した。

 一方、富裕層が多いテヘラン北部のアバサバード地区を訪れると、そこは外車展示場が点在する別世界だった。イランでは外車は輸入関税が100%で他国に比べ高額だが、地元紙によると、今年3月までの1年間に売れたドイツ高級車ポルシェは563台。外車ディーラーのマザヘリさん(32)によれば、売れ筋は20万〜40万ドル(1600万〜3200万円)のポルシェやベンツで、売り上げは年々上昇しているという。「制裁の影響? 富裕層には関係ないさ」。マザヘリさんが笑った。制裁により農業や鉱工業など生産活動が停滞する中、テヘラン市内では新銀行の店舗が次々と登場。設立には、政治家や軍が関与したとうわさされる。

 「利子をとるのはハラーム(宗教上の禁忌)」とするイスラム金融の原則と実態は遠く、銀行の事実上の預金金利は17%(1年定期)。住宅や事業者向けの貸出金利はさらに高い。富裕層は預金で潤い、借金が必要な庶民は苦しむという構図だ。最高指導者ハメネイ師は「資本主義は腐っている」と繰り返すが、そのひずみにイラン自身が苦しんでいる。

 「保護協会」理事のアリアクバルさん(42)が憤る。「米欧の経済制裁はイランの中間・貧困層を傷つけ、働く子供まで増やす。一方で、政府要人や富裕層には何らダメージを与えない。政府の支持者ではないが、意味のない制裁には反対だ」

     ◇

 イランの核開発問題を巡り6月末以降、原油を狙いうちにした米国、欧州の経済制裁が相次ぎ発動。9月末には現地通貨が暴落し、安定を誇ったイラン経済が本格的に揺らぎ始めた。制裁下のイランで市民の姿を追った。【テヘラン鵜塚健、写真も】=つづく


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