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国際政治・世界事情
5287
:
チバQ
:2012/11/10(土) 09:30:31
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20121030ddlk18070641000c.html
復興と銃声の国・レバノン:/7 遺跡の街バールベック 国の不安定さ、飯の種に /福井
毎日新聞 2012年10月30日 地方版
荘厳な古代ローマ建築で知られるレバノン屈指の観光地バールベック。1〜3世紀に建てられた石造りの神殿跡がある。
ここもシリア内戦の影響を受けていた。夏の観光シーズンなのに、客はまばら。レバノンは度重なる内戦で一時は観光客が減少したが、客足は戻りつつあったという。シリア内戦の影響は深刻だ。
通りで体格のいい男に土産店に引きずり込まれた。「古代の銀貨だ」と銀色の硬貨を見せる。「シリアのせいで客がさっぱりだ。貴重な物だが、生活のために安くても売りたい」と500ドルを要求する。断ると、値段は5分の1になった。
「私は日本人が米国人よりもいいやつだと知っている。頼む」。妙な殺し文句だ。さらに半額以下になったところで、買った。
おそらく本物ではないだろう。自国の「不安定さ」まで飯の種にするしたたかさに、何度荒廃しても立ち上がろうとするレバノンの底力を見た。【山衛守剛】=つづく
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20121108ddlk18070655000c.html
復興と銃声の国・レバノン:/8止 ベイルートへ再び 笑顔で「また来いよ」 /福井
毎日新聞 2012年11月08日 地方版
帰国の日が来た。ベイルートに戻り、再び街を歩く。欧州のような街並みの中心市街地から外れると、所々に弾痕だらけの廃虚があった。
国立博物館の近くで、ダビデの星が入ったヘブライ語の表札の門を見かけた。敷地内に銃弾で破壊された墓石があり、燭台(しょくだい)の絵が彫られている。ユダヤ人の墓地らしい。
レバノンにも多くのユダヤ人がいた。だが、1975年に起きた内戦が周辺国を巻き込んで泥沼化すると、次々と国外へ脱出した。ベイルートも幾度となくイスラエルに侵攻された。破壊された墓地に眠るユダヤ人は、どんな気持ちで戦争を見ていたのだろうか。
夕方、ホテルでタクシーに乗った。運転手は無口だ。空港に到着して金を払うと、笑顔で「また来いよ」と言った。訪ねた街の先々で、何回も同じ言葉をかけられたことに気付く。この国は今も不安定な状況が続く。でも、みんないい人ばかりだった。「シュクラン」。お礼を言って握手し、空港の建物に向かった。【山衛守剛】=おわり
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