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国際政治・世界事情
5115
:
チバQ
:2012/10/09(火) 22:15:27
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121009/mds12100908010001-n1.htm
モルシー大統領就任100日 外交では新機軸 エジプト、権力基盤に不安も
2012.10.9 07:59 (1/3ページ)
エジプトのモルシー大統領(ロイター)
【カイロ=大内清】エジプトのモルシー大統領が就任して100日が経過した。この間、軍最高評議会のタンタウィ議長(当時)を解任し国政の実権を掌握。外交面では対米関係を維持する半面、対イラン関係改善をも視野に入れた新機軸を打ち出しつつある。ただ、内政上の課題が山積する中、出身母体のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団を警戒する世俗主義勢力が結集する動きもあり、権力基盤が盤石とはなお言い難い状況だ。
「100日プラン」
「完全にではないが、目標は達成されつつある」。第4次中東戦争(1973年)“戦勝”記念日の6日の演説でモルシー氏は、就任後の実績を強調した。
しかし、「国民の目は冷ややか」(政治学者)だ。モルシー氏が選挙戦中、「就任100日以内に実行する」と約束した、交通渋滞や価格高騰が続く食糧、燃料問題の解消などが一向に進まないためだ。逆に、最近はガソリンへの補助金削減を発表、全国的に停電も頻発し、ムバラク旧政権時代より生活が悪化したと感じる国民は多い。
こうした中、モルシー氏の外交上の主眼は主に、政変後の混乱で悪化した財政を改善するための「金策」にある。8月には国際通貨基金(IMF)に48億ドルの融資を要請する方針を決定、米国とも10億ドルの債務棒引きで合意する見込みだとされる。
IMF融資をめぐる議論は、軍部の暫定統治下にあった昨年、本格化したものの、モルシー氏の出身母体の同胞団は欧米諸国からの融資受け入れに否定的だった。しかし、経済立て直しが急務となる中、同胞団としても現実路線への修正を余儀なくされた格好だ。
イランも訪問
もっとも、IMFの融資を受けた場合、補助金政策のさらなる見直しなどの改革をIMFから迫られる可能性が高く、大衆受けする政策を訴えてきたモルシー氏にとってはジレンマともいえる。
その一方でモルシー氏は8月、中東以外の最初の外遊先として、米国よりも先に中国を訪問、続いて核開発問題で米欧と対立するイランを訪れアフマディネジャド大統領とも会談した。
エジプトは、イスラエルとの平和条約を維持する見返りに米国から年十数億ドルの軍事・経済援助を受けており、対米関係が急速に悪化する可能性は低い。他方で、モルシー氏にはムバラク親米政権との違いを打ち出したいとの思いがあるとみられ、米国を後ろ盾とするイスラエルでは、エジプトの“米国離れ”が進むことを懸念する声は強い。
強まる強権姿勢
モルシー氏は8月、対立するタンタウィ最高評議会議長を電撃解任し軍部が握る立法権を奪ったが、このころから、強権姿勢も目立つようになった。政府系紙幹部に同胞団に近い人物を配したほか、同胞団に批判的な記者が逮捕される事件が起きるなど、メディア規制を強める兆しもある。
9月には、大統領選でモルシー氏と争ったシャフィーク元首相が、20年以上前の不正に関与した疑いで逮捕命令を受けた。モルシー氏側の意向をくんだ司法当局による“粛清”だとの見方が支配的だ。
これに対し、現在は国外滞在中のシャフィーク氏は新党結成を発表。エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長や、大統領選に出馬したムーサ前アラブ連盟事務局長ら世俗主義派の有力者も新党結成の動きを見せ、「反モルシー」で連携を模索しているともいわれる。
エジプトでは今後、同胞団主導の新憲法制定プロセスが進み、その後、議会選が行われる見通しだ。結果次第では、軍・治安機関の反同胞団勢力が勢いを盛り返す可能性もある。
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