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国際政治・世界事情

4908チバQ:2012/08/20(月) 22:48:28
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120820/erp12082008170001-n1.htm
【東を向くロシア プーチンの思惑】
(5)民心とかけ離れた巨額投資
2012.8.20 08:16 (1/3ページ)

 右ハンドルの中古車が幅を利かせる。日本語で商店名が書かれた車もあり、右側走行であることを除けば日本にいるような錯覚すら覚えそうになる。

 ロシア極東沿海地方の中心都市、ウラジオストク。街中を走る乗用車の9割以上が日本製中古車で極東随一の輸入拠点でもある。だが、何年かぶりに訪れた郊外の中古車青空市場「ゼリョーヌイ・ウーゴル」の様子はやや変わっていた。

 中古車業者の一人、オレグさん(43)は「関税引き上げやネット販売の人気で昔のようには稼げない。市場の面積もこの数年で半分になったよ」と売り上げ不振を嘆く。車の販売以外でも小金を稼ごうと、日本製のウイスキーやティッシュなどを売っている者も目立った。

 ロシア政府が2009年初頭、中古車の輸入関税を約2倍に引き上げたことが特に響いた。政府は米国発の金融危機で瀕死(ひんし)の状態に陥った国産自動車産業の救済を図ったのだ。

 しかし、これはウラジオストク住民の強い反発を生み、反政権機運にも火をつけた。


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 ウラジオストクでは08年末、関税引き上げに反対するデモが断続的に行われ、政権側がモスクワから機動隊を投入して粉砕する事態に発展した。

 中古車関連の仕事に就いている人が多く、関税引き上げは暮らしに影響を及ぼした。住民にはソ連崩壊後の混乱期、日本の中古車輸入に活路を見いだし、中央から自立して生き抜いたという自負もある。

 住民の反発を招いたトップダウンの政策。沿海地方の野党議員、サムソノフ氏(37)は「ロシアは『連邦』を名乗っているが、実態は封建的な中央集権体制だ。地方は自主性を奪われ、地域の実情に即した政策をとれない」と話す。沿海地方では、昨年12月の下院選でプーチン首相(現大統領)の与党「統一ロシア」が33%しか得票できず、惨敗した。

 プーチン氏は00〜08年の前回大統領期、地方知事の選挙や下院選の小選挙区制を廃止するなど、「垂直の権力」と呼ばれる中央集権体制の構築に邁進(まいしん)した。

 国の威信に関わる重要プロジェクトに国家資金を集中投下し、地域振興を図るのもプーチン氏特有の手法だ。9月初旬にウラジオストクで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議はその典型で、会場建設やインフラ整備に6千億ルーブル(約1兆4900億円)を投じた。

 だが、APEC会場となる住民5千人の島に向け、1日5万台の通行を想定した「世界最大」の斜張橋を架けるなど、APEC関連の支出には住民意識とはかけ離れたものが多い。「市民の生活水準は何ら向上していない」(サムソノフ氏)との批判も根強い。


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 ウラジオストク太平洋戦略センターのテルスキー所長(61)は、日本や韓国に近い沿海地方の利点を生かし、「政治、経済の実験をすればよい。たとえば自由貿易圏にしてしまうのだ」と大胆なアイデアを明かした。だが、硬直しがちな国家主導の発展モデルに大きな期待はしていない。

 首都モスクワでは、長期化するプーチン氏の強権統治に対する反発が着実に広がっている。

 プーチン氏が強い関心を寄せる極東もまた、中央が掌握しようとすればするほど反発を招く皮肉な状況にある。

 ロシア極東がプーチン氏の思惑通りに発展すると考えるのは早計だろう。そして、プーチン体制の行方こそは北方領土交渉にも少なからぬ影響を与えるに違いない。(遠藤良介)=おわり


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