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国際政治・世界事情
4806
:
チバQ
:2012/07/29(日) 11:46:56
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120728-00000084-mai-pol
<露外相>北方領土「要人訪問やめぬ」 交渉継続は確認
毎日新聞 7月28日(土)21時56分配信
【ソチ(ロシア南部)横田愛】ロシア訪問中の玄葉光一郎外相は28日、黒海沿岸の保養地ソチでラブロフ外相、プーチン大統領と相次いで会談した。両外相は北方領土交渉について、首脳、外相、次官級の3ルートで協議を継続することを確認した。しかし、ラブロフ氏は会談後の共同記者会見でロシア政府要人の北方領土訪問について「控えることはない」と明言し、今後も実効支配の強化に取り組む考えを示した。
今月3日のメドベージェフ首相による北方領土・国後島訪問について、玄葉氏は外相会談で遺憾の意を示し、「国民感情に配慮しながら物事を進める必要がある」と抗議した。ラブロフ氏は「抗議は受け入れることはできない」と反論し、「地域の社会、経済、環境の整備はロシア政府の責任であり、続ける用意がある」と強調した。
また、玄葉氏は北方領土問題について四島を交渉対象とした01年のイルクーツク声明に触れ、「両国間の諸合意、諸文書、法と正義の原則に基づいて問題解決したい」と提起。ラブロフ氏は「第二次世界大戦の結果が国連憲章に定められている。ロシア国民にとってこれこそ法と正義の原則の表れだ」と述べ、第二次世界大戦の結果でロシアの領土になったとの主張を展開した。
会談後、玄葉氏はソチの大統領別邸でプーチン氏と会談した。両氏は北方領土問題について、双方が受け入れ可能な解決策を探るため交渉を継続することで一致。玄葉氏はプーチン氏と親交の深い森喜朗元首相を政府特使としてロシアに派遣する考えを伝え、プーチン氏は「いつでも受け入れる」と歓迎する意向を示した。
一連の会談は、6月にメキシコであった日露首脳会談で、北方領土交渉再開で合意して以降、初の実質協議。玄葉氏はラブロフ氏との共同記者会見で「野田政権として、双方受け入れ可能な解決策をしっかり考え、精力的に交渉を進めることが大切だ」と述べたが、日露双方の立場の隔たりは大きい。
北方領土交渉は、首脳会談の際、再開で一致した後も、次官級協議の開催が決まらないなど、実際の動きは停滞してきた。メドベージェフ首相が国後島を訪問し、玄葉氏の訪露延期を求める声が野党などから出たが、同氏は「むしろ交渉することが大事」と対話継続を優先した。
日本政府はプーチン大統領との会談にもこだわった。7月半ばにロシア側から「ソチに来るなら可能性がある」との回答を受け、訪問先を急きょモスクワからソチに変更し、実現した。ロシア政府を「プーチン氏の大きな政治力」(外務省高官)をテコに動かすしかないという実情がある。
プーチン氏が日本外相との会談を受け入れたのは、02年10月の川口順子外相(当時)以来で、5月の大統領復帰後に他国の外相と会談したのも初めてとなる。異例の対応の背景には、9月に極東ウラジオストクで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を控え、日本との関係強化をアピールする狙いがあったとみられる。
しかし、そのプーチン氏も歯舞群島、色丹の2島引き渡しを規定した日ソ共同宣言(1956年)の有効性を確認したことはあるが、国後、択捉島返還に関して言及したことはない。日露両政府はAPEC首脳会議にあわせて首脳会談を行う予定だが、ロシア側が領土問題の具体策で譲歩する可能性は低く、四島返還を主張する日本との溝は深い。
外相会談は約1時間40分行われ、3分の1が領土問題に割かれた。
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