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国際政治・世界事情

4743チバQ:2012/07/16(月) 15:32:11
 政府もただ手をこまねいているわけではない。軍や警察に加え、「最高治安委員会」と呼ばれる治安機関を新たに創設し、それらに民兵を吸収することで部隊の解体を進めようとしているのだ。

 ただ、そうやって「公務員」になった兵士らの多くは、出身部隊への帰属意識と、他の部隊への対抗心を残したままだという。

 「どの部隊も自分たちが(内戦で)一番苦労したと思っているから当然だ」(カマシュさん)。

 リビアでは現在、内戦中の最激戦地で、カダフィ大佐を殺害まで追い詰めた西部ミスラタの部隊出身者が内務省を、人道に対する罪で国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出されている大佐の次男サイフルイスラム容疑者の身柄を拘束した西部ジンタンの部隊出身者が国防省をそれぞれ掌握。内戦の終盤から両者は新政権発足後をにらんだ主導権争いを演じており、実際に銃撃戦に発展したケースもあった。

 ジンタン部隊は現在もなお、サイフルイスラム容疑者の身柄をICCに引き渡していないが、その理由の一つは、新政権での優位を確保するための交渉材料を手元に残しておきたいとの思惑があるからだとみられている。各部隊が軍閥化し、政府の統制が効かなくなる恐れは消えていない。

 また南部では、もともと緊張関係にあった少数民族のトゥブ系住民と、多数派のアラブ系住民の対立が激化。最近の抗争では、双方が内戦でカダフィ軍から奪った戦車を使用したとされる。

 リビア内戦では、外国から民兵に兵器が供与されたほか、カダフィ政権側も市民に武器を配布するなどしており、市中に大量の銃器が出回った。一般市民も銃を持つのが当たり前となっていて、回収は一向に進んでいない。

 同国内で医療支援などを行う赤十字国際委員会(ICRC)ミスラタ事務所のザビエル・マケルフ所長は「武器の多さからみれば、現在のところ、リビアでの暴力は抑制的だ」と指摘した上で、「小さな争いで済むはずのいざこざが、武器を持っていることで増幅されている面があることも否めない」と分析する。

 銃を捨てて今ではハンドルを握るカマシュさんも、こう話してから再び大きなため息をついた。

 「一度、手が血で染まってしまうと、日常に戻るのは難しい。徐々に進んで行くしかないんだ…」

 ■リビア内戦 2011年2月、第2の都市である東部ベンガジで反カダフィ政権デモが発生し各地に拡大、デモは間もなく、政権側による武力弾圧を受けて武装闘争に発展した。3月には国連安全保障理事会が、フランスや英国の主導で、飛行禁止区域設定のための対リビア軍事介入容認決議を採択し、北大西洋条約機構(NATO)などがカダフィ政権側に対する空爆を開始した。

 8月、フランスなどからの武器支援を受けた反カダフィ派民兵部隊が首都トリポリを攻略し、カダフィ政権は崩壊。大佐はトリポリから脱出したものの、10月20日、出身地の中部シルトから逃れる途中で民兵に拘束・殺害された。

 反カダフィ派代表組織「国民評議会」は同23日にリビア全土の解放を宣言、31日にはNATOも作戦終了を発表した。内戦中の死者数は3万人とも5万人ともいわれる。


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